中国国家統計局は15日、中国の1~3月期国内総生産(GDP)は前年同期比6.7%増と発表した。世界金融危機発生後の2009年1~3月期、GDP6.2%増以来の低水準となったが、政府が設定した「6.5~7%」GDP成長率目標を一応達成した形となった。
また4月初めに国家統計局が発表した3月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)と11日に発表した3月生産者物価指数(PPI)がやや改善されたほか、13日税関総署の統計によると、3月の輸出も大幅に増加し、輸入の減少幅も縮小した。一連の経済指標は、中国経済がやや回復に向かっていることを示している。
しかし一部の専門家は、中国経済に回復の兆しが現れたのは融資と投資の拡大、中国旧正月期間の消費拡大のおかげで、当局が挙げた経済構造改革が成功したわけではなく、4月からの経済情勢は依然として不透明だと示した。
香港紙「経済日報」は、中国経済が好転したのではなく、(政府の刺激策で)経済的雰囲気と企業の心理だけが改善されただけだと指摘した。政府が実施した一連の措置は短期的な折衷策で、経済の健康的な発展と持続的な改善につながることなく、中国経済はまだ回復されていないとの見解を示した。
一方、中国経済指標の改善を受けて、米国連邦準備制度理事会(中央銀行、FRB)が6月に追加利上げに踏み切る観測が強くなった。
FRBのイエレン議長は3月29日米国ニューヨークで講演を行った際、追加利上げに慎重である理由として米国以外の経済情勢で、特に「中国経済の先行きがとても不透明だ」と述べた。
香港金融評論家の江宗仁氏は15日、李克強首相の、このほどの中国経済指標と一部の先行指標が改善されたとの言及と、国際通貨基金(IMF)も2016年中国経済成長見通しをこれまでの6.3%から6.5%に引きあげたことを挙げ、米国経済はインフレ率は目標の2%を下回っているが、雇用統計などの経済指標は安定に推移しているため、6月に追加利上げに踏み切る可能性が高いことを示した。
米国の追加利上げによって、ドル高元安が進むことで資金流出が加速し、外貨準備高の減少につながる可能性があるが、過熱した不動産市場を鎮静化することができる。
(翻訳編集・張哲)