香港に本社を置くアジア証券大手のCLSAアジア・パシフィック・マーケッツは5月6日、中国銀行業の実質不良債権比率が当局の公表統計より9倍以上との見解を示した。6日付ブルームバーグが伝えた。
同社が6日発表した調査報告によると、中国の不良債権比率は約15~19%で、銀行業における潜在的な損失は約1兆ドル(約107兆円)規模となっている。一方、中国当局が発表した昨年9月末時点の銀行業不良債権比率は1.6%だった。
CLSAの鄭名凱氏はブルームバーグに対して「中国当局が実行した景気刺激措置の効き目は失われつつある。このほど企業債務不履行(デフォルト)が増えたことが銀行業の不良債権が増えたことを証明した」と述べた。鄭氏は2020年に国内総生産(GDP)に占める中国の債務比率は300%に、また不良債権比率は20~25%に上昇するとの予測を示した。
一方、中国国務院国有資産監督管理委員会の6日の公表によると、2014年から現在まで国有企業106社のうちの4社がデフォルトになった。中には資源生産大手の中国中鋼集団(シノスチール)を含む。
国内メディアによると、今年に入って国有企業を含む22社の企業がすでにデフォルトになった。昨年1年間では19社だった。
(翻訳編集・張哲)