海南省の省都、海口市秀英区の琼華村で4月30日午前、「違法建築」に対して当局の強制的な取り壊しが行われた。住民へ暴力的な鎮圧する様子を撮影した動画がネット上に公開され、中国国内外に大きな波紋を広げている。
現地のネットユーザーの投稿によると、海口市政府は秀英区長流鎮琼華村に対して強制的な取り壊しを実施した。これに反対する住民に対し、武装警備員が集団暴行していた。
ネットに公開された動画には、武装した十数人の警備員が電気ショック機能付きの警棒を手に、女性や子供を含む丸腰の現地住民を取り囲んで、殴る蹴るなどの暴行を加えている様子や、無抵抗な住民に電気ショックを与えている様子などが撮影されている。
この動画は、中国国内のネットユーザーの怒りを煽った。「この政府は一体何なんだ? いくらなんでも丸腰の女性や子供にまで手を挙げるなんて、それでも人間か?」「一般庶民のことを人間だとは思っていないのだな、法治国家とはいえず、暴力統治国家だ!」
ここ数年、中国メディアが海南省海口市の強制取り壊しに関するニュースを報じることが増えている。昨年末、海口市秀英区のある退職した元教師がネット上で地元政府宛の公開状を発表した。それによると、市政府は年明けから市内で違法建築排斥運動を大々的に行い、違法建築を一つも残らず取り壊すという。
元教師は文末に「命を奪われることを除き、世の中で一番辛いことは、住み家がなくなることだ。取り壊しは家を壊しているのではなく、人の心を壊している」とその沈痛さをつづった。
(閲覧注意:動画あり。非武装の住民が、武装した警備員に電気棒で殴打されたり、蹴り飛ばされたりする場面が撮影されている)
(翻訳編集・桜井信一/単馨)