中国政府は6月上旬、国連が制裁対象と指定した電子製品を密かに購入したとして北朝鮮の工作員幹部と2人の貿易関係者を拘束した。韓国紙「朝鮮日報」が6月13日に伝えた。
報道によると、中国警察当局は中朝国境にある町丹東市の同工作員幹部の自宅に踏み込み、同工作員らが購入した制裁対象となる電子製品の写真を提示し「中国の法律を違反した」と告げた後、同工作員を拘束し、2人の貿易関係者に対して「中国から36時間以内の退去」を要求した。これらの電子製品が武器製造に必要な部品だとみられる。
同工作員は丹東市に駐在する貿易関係者の党内生活を指導する目的で北朝鮮労働党に派遣された者とみられる。
また「読売新聞」によると、「祖国の代表」や「総責任者」と呼ばれる同工作員幹部は国連が指定する制裁対象品目の密輸に関与してきた。中国警察当局は身柄を拘束と同時に、同工作員が持つ3000万元(約4億7300万円)の現金や金の延べ棒を押収した。
中国当局は国内に駐在する北朝鮮の貿易関係者や長期滞在者への監視を強化している。5月初め、当局は、30人以上の中国籍朝鮮族の住民を含む密輸や密売業者を逮捕した。業者らは頻繁に中朝国境で活動していたとみられる。
また中国商務部は14日、北朝鮮向けの輸出禁止品目を追加発表した。同部は公式ウェブサイトにおいて、「大量破壊兵器とその運搬手段に関連する技術や物質を朝鮮(北朝鮮)に輸出することを禁止する」との「第22号公告」を公表した。
追加禁止されたのは、化学兵器、生物兵器、核兵器や核ミサイルの製造に必要な技術設備(レーザー溶接機、プラズマ切断機など)、金属物質や鉱物(チタン合金、グラファイト、炭素グラファイト、塩化アルミニウムなど)が挙げられた。
韓国の北朝鮮問題専門家は、中国当局の行動は北朝鮮に対して核兵器の放棄を迫る一方で、中国当局に不満を持つ北朝鮮最高指導者、金正恩氏を従順にさせる狙いもあるとの認識を示した。
(翻訳編集・張哲)