昨年6月に発生した中国株式市場での株価暴落から1年が経った。このほど、中国証券登記結算公司が発表した株式投資家の人数統計によると、時価総額10万元(約160万円)以上の株式を持つ人が1年間で276万6000人減り、特に純資産の高い富裕層(ハイネットワース)の個人投資家が激減したという。
中国国営メディア「新華網」によると、中国証券登記結算公司が16日に発表した統計で、今年5月末時点、A株式市場の株式を保有する個人投資家の人数は5005万1000人で、昨年5月末と比べて456万4000人が増加したと示された。中で、保有株式の時価総額が1万元(約16万円)以下の個人投資家人数は昨年同月比444万5000人増。1万元(約16万円)~10万元(約160万円)の個人投資家は同288万5000人増。時価総額10万元以下の株式を保有する投資家人数は全体の約75%を占める。
しかし、時価総額10万元以上の個人投資家は同276万6000人減少。10万元~50万元(約800万円)が同139万9000人減少。ハイネットワースとされる富裕層で時価総額500万元(約8000万円)~1000万元(約1億6000万円)の個人投資家人数は前年同月比で44%激減。1億元(約16億円)以上の「スーパーリッチ」は同617人減少した。
中国では、ハイネットワースの富裕層について、個人金融資産と投資可能な不動産資産総額が600万元(約9600万円)以上を持つ人と定義している。
国内メディアは、昨年の悲惨な株価暴落を経験し損失を被った多くの富裕層が株式投資から手を引いたと分析する。
昨年6月15日から中国A株式市場株価が全面的に急落した。6月15日から7月15日までの1カ月間に、主要株価指数の上海総合の下げ幅が26.6%に達した。一時約35%の下げ幅となった。この1カ月で、A株式市場の時価総額が約20兆元(約320兆円)が消えた。
(翻訳編集・張哲)