中国西北部の寧夏回族自治区の銀川で、イスラムの要素を取り入れたテーマパークが建設されている。中国国外からのイスラム教の富裕層をターゲットと見られている。
イスラム教徒の多い寧夏に2005年、イスラム教文化をあわらすテーマパーク「中華回郷文化園」が開園した。現在のパークの規模は67ヘクタールで、東京ディズニーランドの1.2倍ほどの面積。
最近、外国人観光客を引き込むため、拡張工事が行われている。同園のホームページによると、パーク内にはモスクがあり、ダンスや歌、レストランの飲食メニューも、イスラム教に則ったものとされる。
遠すぎる内陸部 外国人観光客は来る?
一方、経済や交通網が発達した沿岸都市と違い、寧夏は中国の中心部に位置するため、外国人観光客を誘うのには難しいと疑問が投げかけられている。
にもかかわらず、現地当局は開発に勤しんでいる。銀川空港は8万平方メートルもの土地に拡張工事を進めており、街の道路標識にはアラビア語の表記も加え始めた。
米NBCの取材によると、外国人観光客の姿はほとんどみられない。広い駐車場は「空」で、魅力とされるイスラムの踊りや歌のイベントの鑑賞者は数人。夜のレーザーショーは準備中か、開催されない。
アラブ首長国連邦のエミレーツ航空は最近、銀川空港への直行便を開始した。パークの広報担当者は同取材に対し、拡張工事が済めば「年100万人が訪問する」と強調した。
中国政府の予測では、2015年に約67兆9000億円規模の観光産業が、2020年までに2倍の135兆8000億円になるという。
(翻訳編集・佐渡道代)