7月としてはかつてない大型台風となった台風1号が台湾を直撃した。台湾農業委員会の統計によると、8日午後5時時点での台湾全土の被害総額は6億6千万台湾ドル(約21億円)を上回り、最も甚大な被害を被った台東県の被害総額がそのほとんどを占めた。
猛烈な台風1号 台東では最大瞬間風速秒速57.2メートル
7月8日朝台湾東部の台東県から上陸した大型の台風1号ニパルタック。台東気象所の発表によると、現地で観測した最大瞬間風速は台湾の観測等級で最高レベルの17級に相当する秒速57.2メートルを記録し、1955年に台湾を襲った台風アイリスの16級を上回った。これは台東気象所1901年観測開始以来の最大記録となっている。
「まるで爆撃を受けているようだった。」「地震よりも恐ろしかった。」などと市民からコメントがあった。
台東県の被害が最も甚大 農産物等の被害総額は6億2千万元超
台風1号によって台東県は大きな打撃を受け、住宅や農作物などに甚大な被害がもたらされた。現地ではまだ2万戸余りで停電が続いており、8000戸で断水中。8日午後5時までの農林水産業、畜産業及び民間施設における被害総額は6億6380万台湾ドル(約21億円)に上り、そのうち台東県の被害総額が6億2663万台湾ドル(約20億円)とそのほとんどを占めた。他にも屏東県で1988万台湾ドル(約6400万円)、高雄市で1419万台湾ドル(約4500万円)の損失を出した。
最も深刻な打撃を受けた作物はライチ
台東市では農地全体の約3割に相当する6686ヘクタールが被害を受けた。最も深刻な打撃を受けた作物はライチで、被害面積は4193へクタール、被害総額は4億6709万元(約15億円)に上った。バナナやショウガ、ビワなども被害を受けた。
被害は畜産業界にも及び、被害総額は約2069万元(約6600万円)に達する見込み。
台湾行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は、一部地域は風雨で隔絶されたため現地調査が行えず、被害全体を把握できていないと発表した。
(翻訳編集・島津彰浩)