中国国家統計局が19日に発表した8月新築住宅価格によると、国内70の大中都市のうち、64の都市の住宅価格が前年比で上昇した。7月の統計では価格上昇が見られたのは51の都市だった。専門家は、在庫削減のために各地の住宅購入制限措置が緩和されたなどが主因で、中国住宅市場が過熱化の強まりにつながったと指摘した。
同統計によると、8月70の大中都市の新築住宅の平均価格は前年比で9.2%上昇、6年ぶりの高い上昇率となった。7月の7.9%上昇と比べて上昇が加速したことも分かった。中国住宅市場のバブル再燃が浮き彫りになった。
70都市のうち、アモイの新築住宅価格は前年比43.8%上昇し、最大の上昇幅を記録した都市となった。合肥市は同40.3%上昇で2番目に大きな上昇幅となった。大都市の深圳は同36.8%上昇、上海31.2%上昇、北京23.5%上昇。
ロイター通信によると、国内金融リサーチ会社「ゲイブカル・ドラゴノミクス」(GaveKal Dragonomics)不動産市場アナリスト、ローゼレア・ヤオ((Rosealea Yao)氏は、今年初め中国政府が在庫削減のために、各地で緩和された住宅購入制限措置と住宅ローン規制で莫大の資金が流入したことが住宅価格上昇の主因だと分析した。ヤオ氏は住宅価格は「持続不可能な水準まで上昇してきた」と指摘した。
一方、国内先物取引大手の一徳期貨有限会社チーフエコノミスト、郭士英氏が18日新浪博客に掲載したブログにおいて、現在中国住宅市場の過熱化は昨年暴落した株式市場前の様子に似ていると警告した。郭氏は、現在と将来の数年間、中国経済の鈍化が続き、住宅市場は莫大な在庫を抱えているため、ファンダメンタルズ面(経済指標など)では価格が高騰する理由はないとした。市民が巨額な住宅ローンを抱えてまで住宅を購入することには慎重にすべきだとの見解を示した。
市場関係者は今後、中国政府が住宅価格の高騰を沈静化するため、ふたたび規制強化に転じるとみている。
(翻訳編集・張哲)