9月に香港立法会(議会)に当選した議員2人が、10月12日の就任宣誓で英語で書かれた「香港は中国ではない」との幕を揚げた問題で、中国全国人民代表大会(全人代、国会にあたる)常務委員会は7日、両議員の資格無効にするとの意向を示唆した。
常務委員会は、「宣誓する人が意図的に法で定められた宣誓の文言を述べず、正確かつ厳粛に宣誓しなければ、宣誓を拒絶したことに等しい。その宣誓は無効で、公職に就任する資格を失うこととなる」「宣誓をやり直すことはできない」と『香港基本法第104条』の解釈を示した。
香港政党「青年新政」の游蕙禎氏と梁頌恒氏の新人議員2人が、英語で就任宣誓の際、「中国」を「支那」とし、文言を変えた。これについて香港政府は、宣誓の規則に違反した両氏の宣誓は無効で、議員資格を失うことになったとの認識を示した。
その後、香港高等法院(高等裁判所)に対して、立法会の議長が両氏の宣誓やり直しを監督する権限があるかどうかとの司法審査を申し立てた。高等法院は今月3日審理を開始し、後日に判決を公表するという。
中国全人代の張徳江・委員長は香港司法当局の対応について、両議員についての判断を下す前に一方的に『香港基本法』の解釈を急ごうとしたと非難。香港民主派政党の「民主党」「公民党」は、今回の中国当局の行動は、香港司法制度の独立を甚だしく壊し、中国当局が約束した「高度な自治」に反したと指摘した。
民主党議員で弁護士でもある涂謹申氏によると、香港の法令である『宣誓および声明条例』においては、宣誓を拒絶し、またはおろそかにした際の罰則などの内容が記されているが、『香港基本法』には同様の内容はないという。
涂氏は、全人代が基本法の解釈を通じて、香港の立法機関となり、香港の法律を一方的に改正して通過させることに、「一国両制」への香港市民の信頼が再び揺るがされたと指摘した。
香港民主団体が6日に主催した抗議デモに1万人以上の市民が参加した。
(翻訳編集・張哲)