韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領は29日午後、一連の騒動について釈明する国民向け談話のなかで、「任期短縮問題を含めた進退問題を国会の決定に任せる」と述べ、実質上、任期満了前の辞意を表明した。野党は、12月2日に朴大統領の弾劾訴追案の採決を目指しており、今後も与野党の間で駆け引きが続くとみられる。
朴政権の韓国は一カ月前から、朴大統領の親友の国政介入疑惑で騒動が起きていた。毎週土曜日開催されている退陣要求デモは主催者発表で100万人超が参加しているという。
朴大統領は、3回目となる談話を発表。自身の潔白を主張しながらも「国政の混乱と空白を最小にし、安定して政権を移譲できる方策ならば、大統領職から退く」と述べた。
与党セヌリ党の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)院内代表(国会対策委員長に相当)は同日記者団に対し、大統領は事実上の退陣を宣言したと述べた。談話は、2018年2月の任期満了を待たずしての辞任意向の表明となった。
韓国の野党3党は、朴大統領の弾劾を求める議案を9日までに国会で発議して採決にかけることで合意している。弾劾を求める議案は、国会議員の3分の2にあたる200人以上が賛成すれば可決する。これには与党議員のうち28人以上の賛成が必要で、韓国メディアによると、すでに与党議員30~40人が賛成に回ると報じている。
一方、朴大統領の弁護人は28日、検察が望む29日までの聴取について拒否する意志を示しており、辞意表明以降も、騒動の収束はまだ見えない模様。
(翻訳編集・佐渡 道世)