中国遼寧省の陳求発省長は17日に開かれた同省人民代表大会(議会に相当)会議において、2011年~14年まで同省の財政統計にねつ造があったと初めて公に認めた。同期間に省長を務めた陳政高氏は今後当局から厳しく追及されるとみられる。
国内ニュースサイト「財新網」(17日付)によると、遼寧省が所轄する市と県の11年から14年の財政収入の約20%が水増し分だとした。中では14年一年間の水増し分は23%に達したとという。
陳省長が公に虚偽統計を認めた前、反腐敗キャンペーンを指揮する中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)はこれまで数回同省の経済統計ねつ造を指摘し、昨年8月に遼寧省政府に対して「全面的経済統計ねつ造問題を解決せよ」と指示を出した。
時事評論員の石実氏は、15年5月に省長に就任した陳求発氏がねつ造問題を公表したことは、習近平当局が08年~14年4月まで同省長を務め、同省の経済を担当した陳政高氏(現在住宅および城郷建設部部長)に対して厳しく追及し、失脚の前触れだと分析。
陳政高氏は、党内江沢民派閥人員で12年に失脚した薄熙来氏の元部下で、薄氏が遼寧省大連市長・市党委員会書記の時代に、陳氏が同市西崗区長や副市長を在任していた。薄市が同省の省長時代に、陳氏は副省長を務めていた。陳氏は江沢民派閥の「遼寧幇」の主要人員の一人とみられる。
一方、現省長の陳求発氏は習派閥人員で、長い間工業および信息化部副部長を務め、13年に中国人民政治協商会議湖南省委員会主席、15年に遼寧省党委員会副書記、省長代行、省長を歴任してきた。
(翻訳編集・張哲)