香港紙「成報」は21日の夕刊に緊急声明文を発表。中央指導部の張徳江・全人代委員長、梁振英・香港行政長官らを糾弾する記事を掲載してから、上層部と従業員は身の安全にかかわる脅威を受けていると主張した。
香港で親中派メディアの代表格とされる成報だが、昨年8月から、異例にも江沢民派のメンバーとされる前述の高官ら4人を名指して批判する記事をたてつづけに載せた。
署名「漢江泄」の一連の記事は、4人が香港で汚職を蔓延させ、マフィアなど反社会的勢力と結託して民主派を制圧し、社会不安を煽いで習近平陣営を困らせ、香港行政長官選挙を操るなどとして、「香港を乱す四人組」「国を乱す妖怪」「陰謀家」と糾弾し、習近平指導部に取締りをもとめている。
声明文によると、掲載直後からいやがらせの電話やメール、手紙が多く届き、最近状況がさらにエスカレートしている。
2月中旬から、不審なグループが新聞社の前や上層部幹部の自宅周辺を長時間に張り込み、幹部を尾行・盗撮し、写真付きの脅迫状や批判文書を公共の場に貼りだしているという。
関係者がすでに香港警察当局に通報。18日から2日間、同紙のニュースサイトはサイバー攻撃を受けてアクセス不能になったという。
(翻訳編集・叶静)