中国当局は、2016年に中国国内で違法な金融業務を行う「地下銭荘」(地下銀行)500カ所を摘発し、その取り扱い総額は9000億元(約15兆3000億円)で、犯罪容疑者800人以上を逮捕したと発表した。
中国公安部が26日同公式ウェブサイトで、「地下銭荘はマネーロンダリングや不正資金を海外移転する際の主要ルートの一つとなった」「経済がグローバル化する中、インターネット技術を利用し、犯罪手段も多様化した。犯罪行動もますます密かに行われ、資金の海外移転スピードも速くなり、取引金額も右肩上がりに拡大している」とした。
また、公安部反マネーロンダリング部門責任者の束剣平氏が国内「財新網」(27日付)に対して、「一部の腐敗汚職官僚が地下銭荘を通じて、不正な資金を海外に移転し、その後に頃合いを見計らっては海外に逃亡している」と述べた。
当局関係者が公に、地下銭荘と汚職官僚と結びつけるのは異例だ。
中国問題評論家の季達氏は、資金流出が深刻化した原因の一つは、習近平当局の反腐敗キャンペーンの推進で、法的処罰を恐れる党内の江沢民派閥の官僚などが相次いで海外に不正資金を移転したことにあると指摘し、「江派閥は20年間以上に渡り中国経済を掌握し、ほとんどの国有企業は江派閥が蓄財する温床となった」と話した。
中国国内メディアは15年3月の報道で、1990年代半ば以降、海外に逃亡した汚職官僚の人数は1万6000人から1万8000人に達し、持ち出された資金規模は8000億元(約13兆6000億円)と推測しており、汚職官僚一人当たり、4444万元(約7億6000万円)から5000万元(約8億5000万円)の資金を持ち出した計算になる。
(翻訳編集・張哲)