韓国ロッテグループ(以下、ロッテ)が28日、韓国国防省との間で、高高度ミサイル防衛体系(THAAD)配備の敷地を国防省に提供することを契約していたことについて、中国当局は反発している。中国国内に進出しているロッテに対して、当局は報復措置を取る姿勢だ。
中国外交部の耿爽・報道官は同日の定例記者会見で、「(われわれの)安全利益を維持していくために必要な措置を採る。韓米は全責任を負うべきだ」と非難した。当局はTHAAD配備によって、韓国と米国は簡単に中国の軍事施設を監視でき、関連軍事や防衛情報も入手できると反発を続けてきた。
一方、新華社通信や「人民日報」など中国国営メディアは一斉に、韓国を集中非難している。国内消費者に対して、ロッテへの不買運動を呼びかけ、さらに「中国市場からロッテを追い出す」と大いに宣伝した。一部のメディアは、中韓の外交は「準断交」に直面すると強弁を張った。
中国国内で、ロッテマート(スーパーマーケット)は115店舗を展開し、ロッテ百貨店が5店舗ある。
28日、中国当局は北京市内にあるロッテマート崇文門店に対して、店内に違法広告を貼りつけたとして、4万4000元の罰金を科した。THAAD配備をめぐって、当局のロッテに対する報復措置だとみられる。
また、中国国内ポータルサイト「新浪網」(1日付)などによると、ロッテ中国(lotte.cn)の公式ウェブサイトはサイバー攻撃を受けて、28日午後からサイトが開かない状態が続いている。ロッテ側はハッカーのウィルス攻撃が原因だとしているが、他の詳細を明らかにしなかった。
(翻訳編集・張哲)