朴槿恵大統領の弾劾 職権乱用が主な理由=韓国憲法裁判所

2017/03/13 更新: 2017/03/13

韓国憲法裁は10日午前11時、ソウル鍾路区に位置する憲法裁判所で開かれた朴大統領弾劾審判事件判決では、裁判官8人全員一致の意見で「朴大統領を罷免する」との判決を下した。大統領権限を濫用してチェ・スンシル氏の便宜を図ったことが罷免の主な理由だった。

憲法裁判所は、朴槿恵政権の「影の権力者」として挙げられたチェ・スンシル(崔順実)(61・拘束起訴)氏などが国政干渉に関与している点が憲法と法律に違反すると判断した。

李貞美(イ・ジョンミ)憲法裁所長権限代行は「朴大統領の行為は、チェ・スンシルの利益のために大統領の地位と権限を濫用したもので公正な職務遂行と見ることができない」と述べ、朴大統領の行為は「憲法と国家公務員法、公職者倫理法などに違反した」と判断した。

所長代行はまた、朴大統領に近い2財団と、チェ・スンシルの利権介入を支援した朴大統領の行為は、「企業の財産権を侵害しただけでなく、企業経営の自由を侵害するもの」と説明。国家機密をチェ・スンシルに漏えいした点も、国家公務員法の守秘義務に違反したと判断した。

李貞美所長代行は「朴大統領はチェ・スンシルの国政介入を徹底的に隠ぺいし、その疑惑を否認したため、国会などの憲法機関による牽制やメディアによる監視作用が正しく機能できなかった」と指摘した。

所長代行はまた「朴大統領の憲法と法律違反行為は、在任期間中に継続的に行われ、国会とマスコミからの指摘にもかかわらず、むしろ事実を隠蔽し関係者たちを締めつけてきた」「その結果、アン・ジョンボム元靑瓦台首席秘書官などが汚職容疑で拘束・起訴された重大な事態に至った」と判断した。

憲法裁判所は以上のことから、「朴大統領の違憲・違法行為は、国民の信任を裏切ったことに相当し、憲法保護の観点から容認できない重大な法律違反行為」と結論付けたうえで、朴槿恵大統領を罷免した。

(翻訳・斎潤)

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