台湾の安全保障当局は、中国本土からの諜報員約5000人が、台湾で情報収集していると明かした。 「スパイの侵入は、軍に限定されず、国の民間機関も含まれている」と、安保関係者は匿名で台湾メディア・自由日報に述べた。
「台湾政府へのスパイの侵入は、軍隊と同様に広がっている。 2002年以来、台湾当局はスパイ行為を60件摘発したが、これは公に知られている事例に過ぎない」と強調し、実際の活動件数ははるかに多いという。
馬英九前総統が2009年に中国との郵便、輸送、貿易関係の交易活発化を図る「三通」政策を実施する前、18件のスパイ事件が報告された。それ以来両岸の交流が増加して、以後8年で42件となった。
この60例のうち、90%が軍事情報の諜報。いっぽう、政治的機密に関する容疑は「かなり多い」とみられているが、そのようなスパイ容疑を監視する能力がないため、報告されていない。
関係者は、外交通信、海峡政策、技術に関する情報を入手するために、政府の行政事務当局がターゲットになっていると同紙に明かした。
台湾の検察当局は10日、中国本土からの30代の男が、機密情報を収集しようとしたとして、スパイ容疑で逮捕した。
さらに、この安保関係者は、中国政府が台湾の先住民組織に影響を与えるため、先住民側の代理人を雇用しようとしているとも明かした。
台湾の公的機関は、本土スパイの脅威と緊急性を受け止めておらず、諜報活動を防ぐ十分なシステムを作っていないことについて、懸念を示した。
(翻訳編集・佐渡 道世)