北朝鮮当局は、韓国の周辺海域で行われている米韓軍事合同演習について、北朝鮮の主権と尊厳を侵害するならば「容赦なく」攻撃すると警告した。
伝えられるところによると、金正恩政権は米韓両軍の定例合同演習「フォールイーグル」を有事準備と認識していると考えられている。
演習には米海軍の原子力空母とF-35ステルス戦闘機、米海軍特殊部隊シールズ(SEALs)が参加している。シールズは2011年、オサマ・ビン・ラディンを暗殺した部隊として国際的に知られている。
ロイター通信によると、北朝鮮の国営報道機関KCNAは「北朝鮮の主権と尊厳をわずかでも侵害すれば、その勢力に対して陸上、空、海から無差別の超精密な攻撃を開始する」と伝えた。「3月11日だけでも、爆弾を搭載した多数の敵の戦闘機が空母から飛び立ち、地上目標に奇襲攻撃するために北朝鮮の領海とその近くを飛行した」とKCNAは付け加えた。
北朝鮮は昨年から、複数回の核実験とミサイル発射実験を行ってきた。6日にも北朝鮮は弾道ミサイルを日本海に向けて4発発射し、日本の排他的経済水域(EEZ)に3発落下したことが、日本政府の発表で明らかになっている。安倍晋三首相は、16日に来日するティラーソン米国務長官に、米国独自の経済制裁を科す「テロ支援国家」に北朝鮮を再指定する際には、日本が支持することを伝える方針だという。
米韓合同演習は、核とミサイル発射実験を継続させる北朝鮮をけん制する目的がある。米海軍ジェームズ・キルビー少将は15日、米軍空母が入港した韓国南部釜山港で会見し「北朝鮮の脅威を抑止するために来た」と述べた。
韓国紙・中央日報は14日、米韓共同演習は、朝鮮半島の有事発生時に金正恩氏をふくむ中央指導部要員の暗殺、誘拐の訓練「斬首作戦」があると伝えた。同紙によると、韓国政府関係者は「軍事的挑発を続ける北朝鮮に圧力をかける狙いがありそうだ」と述べているという。
韓国の聯合ニュース13日付の報道で、韓国政府筋は今回の合同演習には陸軍と空軍、海軍などの特殊部隊から約1000人が参加し、過去最大規模だと明かした。
(翻訳編集・佐渡 道世)