北朝鮮の国営テレビは19日、新型大出力発動機(エンジン)地上噴射実験に成功したと報道した。これまでと違なり、具体的にどのような目的のエンジンであったかを明確にしなかった。
国営・朝鮮中央通信は同日、「これまでの発動機よりも推進力が高い大出力モーター(エンジン)を新たに研究製作し、初めての試験で成功させた」と報道した。
北朝鮮は今まで新しいエンジン試験をする度、どのような用途のエンジンであるか明確にしてきた。昨年の4月9日に「新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)大出力モーター(エンジン)地上噴出試験」、9月20日に「静止衛星運搬ロケット用の大出力のエンジン地上噴出試験」など。
専門家たちは、明らかにされなかった今回の実験のミサイルについて、公開された写真をもとに分析。昨年9月に試みた80tf(トンフォース・80tの重量を上げることができる力)の推力を持つ静止衛星運搬用ロケットエンジンの発展形と見ている。つまり大陸間弾道ミサイル(ICBM)用のエンジンである可能性が高いという。
キム・ドンヨプ韓国慶南大極東問題研究所教授は「昨年9月のエンジンと比較して、全体的な大きさと炎の長さが類似している」と述べ、「補助エンジンが新たに付属された。複数のエンジンを結合する方式ではなく、1つのエンジンだけでICBMの第1段推進体を構成するという、北朝鮮当局の狙いがうかがえる」と分析した。
キム教授は「この日公開されたエンジンは、外殻だけで、完成されたICBMの1段推進体になることができる」とし「金正恩委員長がICBMの完成段階に言及したように、初の発射実験が差し迫っていると思われる」と付け加えた。
金正恩氏は、新年の祝辞を通じて「ICBM発射実験の準備事業が最終段階に至った」とし、ICBM発射が迫っていることを予告した。
しかし、今年に入ってからはこれといった長距離ミサイルを発射しなかった。去年の2月、中長距離弾道ミサイル「北極星-2」の発射に続き、3月には短距離弾道ミサイル「スカッド-ER」4発を発射することにとどまった。このような状況からすると、北朝鮮はICBMの初発射を試みるというのが、専門家たちの共通した見方がある。
さらに、北朝鮮の主張通り燃料効率を高めたことが事実である場合、移動型発射台(TEL)に載せることで奇襲発射も可能があると見ている。
キム教授は「移動型発射台に載せるためには、3段推進体を含む全長が20メートル以下である必要がある。燃料効率を高めたのは、1段推進体の長さを削減しながら、全体の大きさをも一緒に減らすことを意味する」と述べ、「いつでも奇襲発射する要件は備えた、と主張しているのではないか」と述べた。
(翻訳・斎潤)