米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓配備をめぐって、米韓両国間でいささかな不協和音が生じている。米現地時間の27日、韓国に一部費用の負担を求めるとの考えを伝えたトランプ米大統領だが、韓国政府は拒否する方針だ。
トランプ氏はロイター通信のインタビューで、「THAAD費用を分担するのは適切であることを、韓国側に伝えた」と述べ、その額は10億ドル(約1100億円)と報じられた。
韓国外務省幹部は翌28日「米国側からこのような連絡を受けていない」と述べ、同国防省は同日付の声明で、昨年、当時のオバマ政権と朴槿恵大統領が交わした「両国間の従来の合意どおり、韓国が土地と施設などを提供し、米国が設置・運営・維持に必要の諸費用全般を負担する」と強調。追加の請求に応じない姿勢を明確にした。
金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長は30日、米国家安全保障問題を担当するマクマスター米大統領補佐官と電話会談を行い、従来の合意内容をあらためて確認したとしている。
米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は米国務省元幹部の話として、同諸費用の試算総額は約12億ドルだと報じた。
(翻訳編集・叶清)