今年東南アジア諸国連合(ASEAN)の議長国となったフィリンピンのドゥテルテ大統領はこのほど、トランプ米大統領の「強い要請で」、北朝鮮問題をめぐって中国の習近平国家主席と電話会談を行った。
ドゥテルテ大統領は5日、同国ダバオ市で演説を行い、3日に習主席との間で、朝鮮半島の緊迫した情勢を解決していくため、中国がより大きな役割を果たすようと意見を交換したことを披露した。
ドゥテルテ大統領は習主席に、「われわれASEAN各国においても、トランプ大統領さえも、あなたが何かできるとの見解で一致している。実際、あなたがこのことに関わることが(状況が改善する)最大の貢献だ」と話した。
4月29日に同国マニラ市でASEAN首脳会議が開催された。同日、ドゥテルテ大統領はトランプ大統領と電話会談をした。30日に発表された同首脳会議の議長声明では、北朝鮮の核・ミサイル開発に深刻な懸念を示した。
一方、北朝鮮外務省は4月初め、ASEAN事務局に書簡を送り、米国と韓国の合同軍事演習を非難し自国への理解と支援を求めた。
北朝鮮はASEAN加盟国のインドネシア、ベトナム、ラオス、マレーシア、カンボジアの5カ国と国交がある。中でも、マレーシアは、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害されるまでは、北朝鮮と非常に友好な関係にあった。北朝鮮国民に対してビザ免除をしたほか、同国に進出する北朝鮮の企業も多くあった。
中国国営新華社通信(3日付)によると、習主席はドゥテルテ大統領との電話会談で、朝鮮半島の非核化実現や、対話による問題解決の堅持などを話した。
対北で強硬姿勢を示している中国の習近平政権が、ASEANとの連携が強化されれば、国際社会において、挑発行為を続ける北朝鮮の立場がさらに厳しくなるとみられる。
(翻訳編集・張哲)