14日、北朝鮮が弾道ミサイルを日本海に向けて発射したことについて、米国当局が非難声明を発表。これについて、かねてから金正恩政権に批判的だった中国のネットユーザは「米国に早く北朝鮮の金正恩政権を転覆してほしい」と激しい口先での攻撃を展開した。
中国と北朝鮮の関係は「兄」と「弟」と喩えられている。しかし近年、北朝鮮の度重なる挑発行為で、「兄」の中国が国際社会で面子を傷つけられたとして、金正恩政権を嫌う国民、特に若い人が増加している。
米国トランプ政権は、朝鮮半島の周辺海域に原子力空母を派遣するなどして北朝鮮に対して軍事的な圧力を掛けてきた。その行動力に中国のネットユーザは期待感が高まっている。いっぽう、北朝鮮を支援してきた中国共産党政権に対して、批判の声を挙げたくても、ネット規制により監視対象になったり拘束されたりするため、直接的な批判を避けざるをえない。
北朝鮮や金正恩氏への猛批判は、後ろ盾となっていた中国当局であるとの指摘もある。現在は、双方の国営メディアが名指しで互いに批判しあっており、両国関係は断交状態にあるとの見方がある。
中国ネットの声「米国は制裁じゃなくて軍事攻撃を!」
米大使館は声明の中で、北朝鮮の弾道ミサイル発射は「この新たな挑発行為に対して、すべての国が北朝鮮に対してさらなる厳しい制裁を実施しようと呼び掛けたい」と示した。吉林省長春出身のネットユーザーはこのニュース記事のコメント欄で、「制裁は役に立たない。軍事攻撃しなさい!」と書き込んだ。
また、「圧政されている北朝鮮の国民を救ってください」「あなたたち(米政府)早く行動して。この反人類の政権を取り除いて!」「あれ(北朝鮮金政権)を倒して」などと同様な意見が多く書き残された。
上海出身のネットユーザーは「金三(金家三代目、金正恩)が公然と安保理の決議に反して核開発を行っている」「トランプ大統領も安保理の同意を経なくても、先手を打って金三への斬首行動を実施してもいいではないか。これで世界の安全保障が守られるし、(大統領にとって)大きな功労となる」と提案した。
さらに、米国に対して「対話」という北朝鮮の罠にはまらないようと忠告するユーザーもいた。「対話が有効であれば、北朝鮮の核問題がもうないはずだ」と指摘した。
中国のネットユーザーらは中朝関係についても、熱く論争を繰り広げた。なかでも、中国共産党の毛沢東左派(毛左、毛沢東思想を掲げる左派)による「親ロシア、反米、反日、北朝鮮を支持、韓国に圧力」とのイデオロギーが、現在の朝鮮半島の紛争をもたらした根本原因だとの意見があがった。
問題を解決するには、まず中国自身が毛左のイデオロギーを放棄しなければならないと主張した。
中国では、国内の深刻な貧困問題があるのに、当局が北朝鮮に対して長年莫大な無償援助を行ってきたことに不満を持つ人が多い。北朝鮮の圧政をみて、過去中国で起きた大規模な粛清、各政治運動や文化大革命など、悲惨な歴史を思い出される人も多い。
インターネット上では、金正恩氏について「金三胖(金氏3代目の太っちょ)」との蔑称を付けられたが、当局が使用禁止用語であると規制した。
(翻訳編集・張哲)