「売国外交」と呼ばれる江沢民政権の政策にスポットが当たっている。習近平当局は最近、タジキスタンに領土返還を正式に要請した。これについて、ロシア語メディアは、「奪われた領土を中国は戻しにくるのでは」と報じている。実は江沢民政権の10年で、近隣諸国との領土密約により、中国は大量の領土を失っている。中国当局の情報封鎖により、中国国民には知らされていない。
中国と周辺国 領土をめぐる論争に
米政府系ラジオ・フリー・アジア(RFA)は22日、ロシアメディア「ユーラシア・デイリーニュース」の報道を引用し、中国とタジキスタンとの間に領土問題をめぐって再び論争が起きていると報じた。
それによると、早くも2013年に領土問題をめぐって議論されていたという。2016年にタジキスタン歴史学院は中国側の専門家らと領土問題で激論を交わした。中国側は歴史的な証拠を見つけるために紛争地域で発掘調査を行うことを提案した。
習近平氏が最近、タジクに領土返還を求めたことについて、ロシアでは「中国は遅かれ早かれ『奪われた領土』の返還を求めてくるだろう」との論調が広がり、不穏な空気が漂っているという。
北京政府は歴史的権利を取り戻すより、おそらく係争領土にある豊富な金や鉱物資源を狙っているとの見方もある。
江沢民政権時代 344万平方キロもの領土を割譲
江沢民政権時代には、周辺国との係争領土の割譲が多く決まっており、海外中国語メディアは「売国外交」だと報道している。江元国家主席は当時、外部からの圧力はなかったにもかかわらず、近隣諸国と領土密約を締結し、大量の領土を割譲した。中国国内では当局の情報封鎖により、国民に知らされていない。
江沢民元主席は2002年、タジキスタンと協定を結び、パミール地域に近い27000平方キロの土地を割譲。それによってタジク側は係争領土の96.5%を獲得、中国側は1000平方キロだけを確保。
また、江元主席は1991年から2001年までの10年間に、ソビエト連邦及びロシア大統領と相次いで「中露東部国境画定協定」(1991)、「中露西部国境画定協定」(1994)、「中露東西両部国境画定協定」(1999)と「中露善隣友好協力条約」(2001)などの密約を締結し、中露の国境線が法的に画定された。それによって中国は台湾島の面積約110倍に相当する土地(344万平方キロ)の領有権を失ってしまった。
中国当局は政権樹立以来、国土面積について陸地約960万平方キロで海洋約300万平方キロであるという公式発表がある。しかし、米中央情報局(CIA)が世界各国の情報をまとめた年鑑「ザ・ワールド・ファクトブック」 によると、中国が実効支配する国土総面積は領土932万6,410平方キロで、領海27万550平方キロのみであるという。
(翻訳・王君宜)