気象庁によると、日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は、観測史上最高を更新した。
日本付近の大気中の二酸化炭素濃度は増加を続けており、2017年に入り地上観測地点における月平均値は観測史上最高を更新した。また観測船による北西太平洋域の洋上と航空機による日本の南東上空の濃度も観測史上最高も更新した。
さらに、地上観測地点の2016年の濃度年平均値も観測史上最高を更新し、濃度年平均値の前年からの増加量は、最近10年間の平均年増加量を大きく上回り、特に南鳥島では観測史上最大となった。
2013年にスウェーデンで開催した「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の内容を気象庁がとりまとめたファイルによると、大気中の二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素濃度は、少なくとも過去80万年間で前例のない水準にまで増加しているという。
ファイルによると、二酸化炭素濃度は、化石燃料からの排出、土地利用変化による排出により、工業化以前より 40%増加した。海洋は排出された人為起源の二酸化炭素の約30%を吸収し、海洋酸性化を引き起こしているという。
気象庁によると、地上観測地点において増加量が例年を大きく上回った原因は、2014年夏から2016年春に発生したエルニーニョ現象の影響と考えられる。前年からの増加量が大きい傾向は、北西太平洋域及び日本の南東上空でも見られるという。
(編集・甲斐 天海)