7月1日の香港本土復帰20周年記念日に合わせ、習近平氏が香港を訪問する。香港メディアが報じた。香港に一大拠点を持つ同氏の敵対派閥・江沢民派による妨害工作を防止するため、香港警察は最高級の警備態勢を取ると予想されている。
香港メディア「香港01」の報道によると、習近平は6月29日昼過ぎに香港に到着し、7月1日に次期香港政府首班の就任宣誓儀式後に帰る見込み。3日間におよぶ訪問期間に習近平氏は20以上の会合に出席する。
情報筋によると、警備体制はインドネシア大統領が香港に来訪した際のものと同等かそれ以上。爆発物を無力化する無線妨害車両を出動させるなど、最高レベルの警備体制で臨む。
香港メディア「明報」は、香港警察高官の話として、警察の警備レベルは「国家指導者及び対テロレベル」とされ、機動部隊や突撃部隊、快速反応部隊など合計8600人を出動して、4層の警戒網を張って警備に当たる。
3月初めの「南華早報」の報道では、香港周辺の警察はすでに「雷霆行動」を実行し、マラソン式の暴力団撲滅行動を行った。習近平氏の訪問を控えて行われた準備行動は6か月間に及び、2000年来で最大規模となっている。「雷霆行動」は暴力団や組織犯罪グループの撲滅以外に、拠点として利用される恐れがあるホテルをも捜査対象とした。
香港は江沢民派の重要な拠点であり、江沢民派は香港においてしばしば胡錦涛氏や習近平氏を妨害するような事件を引き起こしてきた。江沢民派の2番手・曽慶紅は2003年より中国共産党中央香港マカオ工作協調班初代班長を務めて以来、香港で広く枝葉を広げ、政界・商業界のみならず暴力団やマフィアにも大きな影響力を発揮してきた。
時事評論家・謝天奇氏は、「『雷霆行動』の目的は習近平氏訪問時の安全確保であり、江沢民派が妨害ないし暗殺行為を行うことを未然に防ぐ意図がある」と分析する。
2012年の中国共産党第18回党大会以来、習近平派と江沢民派の闘争は日に日に激しさを増してきた。2017年、共産党機関紙は江沢民派が数回にわたってクーデターで現政権に政変を起こそうとしたと名指しで厳しく非難した。また、香港メディアによると、数回にわたり習氏暗殺未遂計画があったと伝えている。事後調査により、すべて党内部の者が計画したことが判明している。中国本土系メディアは、習近平氏の外出訪問時には少なくとも5層の警備網が組織されると報じている。
(翻訳・文亮)