環境省は26日、大阪府内で発見されたアリは、特定外来生物である「アカカミアリ」と発表した。アカカミアリは、5月26日に兵庫県尼崎市で発見された「ヒアリ」と比べると毒性は低いものの、同じ種類の毒を持っている。大阪府は万一、発見した際の対処方をホームページ上で記載し、注意を呼びかけている。
「アカカミアリ」はこれまでも国内への侵入が確認されている。攻撃性が強く、刺された場合、体質によってはアナフィラキシー・ショックを起こす可能性がある。
大阪府は見つけた場合は生きた個体を素手で触らないなど、十分注意するよう促している。もし刺された場合は、安静にし、容態が急変することがあれば、最寄りの医療機関を受診し、アリに刺されたこと、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)の可能性があることを伝える必要がある。
アリの特徴は体長3.0から5.0ミリメートル程度で全体は赤褐色、頭部は褐色。水に浮かんで集団で移動するなど拡散の能力が高い。開放的な草地、裸地になどの開けた環境に生息し、土の中で営巣する。
上陸の経緯は、フィリピン・マニラ市から航送されたコンテナを今月22日、利用者がコンテナ内を確認したところ、アリが付着していたのでコンテナ業者に交換を依頼。23日、コンテナ業者が大阪市の南港に戻ってきたコンテナの内部でアリを3頭確認し捕獲、環境省に同定依頼した。職員がアカカミアリの可能性が高いと判断し、環境省から大阪府(大阪府を通じて大阪市へ)、岸和田市、枚方市に連絡。26日、専門機関により当該アリがアカカミアリであることを確認した。
環境省によると、今回確認されたアリはすべて捕獲したが、コンテナが一時的に留め置かれていた大阪市、岸和田市、枚方市の地点において、捕獲トラップとベイト剤(毒餌)を設置し、引き続き関係機関を通じて調査するという。
(編集・岳進)