米アップルに続いて、 米電子商取引最大手のアマゾンも中国政府のネット検閲に協力することがわかった。ニューヨークタイムズが報じた。
アマゾンの中国業務代理業者である北京光環新網科技は1日、アマゾンのクラウドサービスを利用している顧客に対し、中国政府のネット検閲システム「Great Firewall」を迂回できる仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリを使用しないよう、2回にわたってメールで通知した。該当のVPNを削除しない顧客は、アマゾンのサービスを受けられなくなる可能性があるとしている。
アマゾンのクラウドサービスを利用する中国の顧客は同社のサーバーからVPNを入手できる。
中国国内からは、一部の海外のウェブサイト(中国に批判的な報道をするBBCやニューヨークタイムズなどの欧米メディアの中国語サイトや、中国政府の抑圧を非難するチベット、ウイグル、法輪功などのサイトなど)にアクセスできないほか、グーグル、ツイッター、フェイスブックなどのサービスも利用できない。多くのネットユーザはVPNを利用して、これらのサイトにアクセスしている。
一方、米アップルも7月末、約60以上のVPNアプリを中国の「App Store」から削除した。VPNアプリを提供する多くの企業はアップルを批判した。そのうちの一社、ExpressVPNは声明文で「アップルが中国の検閲対策を支援していることに困惑し、強く非難する。言論と公民の自由を損なうからだ」などと不満をあらわにした。
ここ数ヶ月、中国当局はVPNへの取り締まりを強化している。最近発表された党の新規定は、閲覧禁止のウェブサイトにアクセスする党員を処分すると明記している。さらに、党員が取得した国内外のSNSのアカウント情報を政府に申告するよう定めている。
(翻訳編集・叶清)