中国証券監督管理委員会の劉士余・主席は19日、中国共産党第19回全国代表大会に合わせて開催された、金融業代表団の会議で、元(最高)指導部メンバーで汚職などの罪で無期懲役刑を服役中の薄熙来・周永康ら6人が「党の最高権力を奪う陰謀を立てていた」と発言したという。香港メディアが報じたが、中国メディアは言及していない。
周永康は第17期最高指導部のメンバー。第18期指導部メンバーで前重慶市委書記の孫政才を除いた残りの4人は第17期指導部メンバーで、それぞれ公安、司法、軍などの要職に就いていた。
重慶市委書記薄熙来(68)は2012年10月、周永康(75)は2015年6月、令計画(61)と郭伯雄(75)は2016年7月に重大な汚職などの罪で無期懲役の判決を受けた。徐才厚(当時71歳)は2015年汚職容疑で刑事訴追される期間中に死去した。
孫政才(54)は党の次世代リーダーとされながら、今年9月に刑事訴追された。党の通達には「政治の立場を見失った」「党の政治紀律・規則を著しく踏みにじった」などの文言が並んでいた。
劉士余氏は19日の金融界チーム会議で、6人の罪は(公表されている)巨額の収賄、深刻な腐敗にとどまらず、党の指導権を奪取することを企んでいたと述べた。
6人が政権の転覆を企んでいたと取りざたされていたが、明確な政府発表はこれまではなかった。ただ、党中央規律検査委員会が最近開いた腐敗撲滅成果の展示会では、先の6人を取締ったことは「重大な政治不安を取り除いた」というパネルがあった。
派閥色は不透明である孫を除いて、全員が江沢民派である。
周永康らが2012年3月19日に起きたクーデターを画策したと言われている。同日夜、北京市中心部の天安門広場付近に銃声が響いた。周永康が掌握した武装警察が中南海を取り囲み、政権を転覆させようとした。しかし、事前に情報を得た胡錦濤主席(当時)が38集団軍派遣し、双方が発砲した。38軍は最終的に局面を制し、クーデターは失敗に終わった、と海外の中国語メディアが報じた。
(翻訳編集・叶清)