習近平指導部は金融業界の整頓に本腰を入れているようだ。中国山東省の地方商業銀行、恒豊銀行の蔡国華・董事長(会長)兼共産党委書記がこのほど、「厳重な規律・法律違反」容疑で全職務を解任されて取り調べを受けている。今年に入ってから各銀行の上層部8人以上が取締られた。
中国メディアなどによると、恒豊銀行の経営陣数人も調査の対象になっている。
蔡氏の前職は山東省煙台市の副市長、2013年に同銀行董事長に就任した。元頭取は昨年、自分と蔡氏がそれぞれ2100万元(約3億6000万円)、3800万元(約6億5000万円)を着服したなど、同銀行上層部の組織的公金横領を告発した。
今年に入ってから、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)をはじめ、中国交通銀行、内モンゴル銀行、中国進出口銀行、国家開発銀行、中国民生銀行、江蘇銀行の上層部計7人があいつぎ、汚職容疑で調査・拘束された。
金融業界へのメス入りは2015年からはじまった。
2015年に起きた中国株式市場の暴落は、江沢民派が習近平指導部を転覆させるために金融業界を操って起こした「経済政変」と言われ、この出来事をきっかけに、習近平指導部は金融業界を整頓しはじめたとみられる。
同年、証券監督管理委員会(証監会)の姚剛・副主席など、大手証券会社・中信証券の上層部が次々と失脚し、調査の対象になった。
消息筋からの情報では、習指導部は銀監会や大手銀行を中心に、金融業界の公金着服、不良債権問題を調べており、今後取締られる「トラ(汚職高官)」がさらに増えるという。
(翻訳編集・叶清)