中国当局が、国家中央軍事委員会の范長龍・副主席(上将、70)への捜査を始めたと香港紙・星島日報が14日報じた。汚職関連とみられる。この情報が確実であれば、昨年10月の党大会以降、3人目の軍高官が失脚したことになる。
同報道は、軍関係者の話として、中国当局が范氏に対して立件調査を始めたと伝えた。范氏はすでに失脚した郭伯雄と徐才厚に次ぐ3人目の党中央軍事委員会副主席だとした。
また報道によると、先週「贈収賄罪の容疑」で軍事検察機関に移送された房峰輝・前参謀長が范氏の汚職を供述したことで、当局が捜査に踏み切った。
范長龍氏は、昨年10月の党大会で、中国共産党中央政治局委員と党中央軍事委員会副主席の職から退任したばかりだ。国家中央軍事委員会副主席の職は今年3月までの予定だ。
「星島日報」は、范氏について「徐才厚の直系側近」との見方を示した。同報道によると、ふたりはともに遼寧省出身で、軍内において長年、上司と部下の関係だった。范氏は、徐才厚が管轄した瀋陽軍区第16集団軍において30年間近く勤務していた。徐の抜擢で、范氏は2012年11月の党大会で、済南軍区司令員から党中央軍事委員会副主席に昇格したという。
中国当局は、范長龍氏の失脚を公表していない。
「星島日報」は中国当局寄りとされている。「たばこ王」と呼ばれる香港企業家の何柱国氏は2001年、同紙の親会社「星島新聞グループ」を傘下企業に収めた。何柱国氏は現在、国政助言機関にあたる中国人民政治協商会議全国委員会の委員を務めている。
(翻訳編集・張哲)