学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題をめぐり、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官に対する証人喚問が27日、参院予算委員会で行われた。Googleキーワード検索では、27日は国税庁や会計監査院、籠池泰典被告など関連の用語が相次ぎ検索され、関心の高さがうかがえる。
佐川氏は書き換えについての指示は、安倍晋三首相や昭恵夫人、麻生太郎財務相をはじめ首相官邸など局外の指示はなかったと述べた。
日本のマスメディアは、佐川前長官の証人喚問について、在京民放4社とNHKが生中継する「異例」の対応を行った。しかし、このマスメディアの動きとは裏腹に、ポータルサイト「yahoo!」のQ&Aサービス知恵袋で、「森友」を検索すると、関連キーワードとして「森友 どうでもいい」が自動で表出した。
991件あるこのトピックでは、森友学園を巡るといった関連性や事件性に関心があるのではなく、この他の日本と国際社会を巡る問題、国内にある重要課題に注目してほしいとの声が聞かれる。
「なぜ森友なんてどうでもいいことを針小棒大に騒いでいるのですか。もし(野党は)安倍政権を倒したいなら、中国線の侵入や外国人による土地所有のガード強化問題、メディアや極左政党による工作活動の対応不備をとことん追求したら?」
「森友の問題ってどうでもいいと思いませんか?連日報道されているけど。ダラダラ時間の無駄でしょ。工作船や尖閣や米国の貿易摩擦など、他に重要な事案たくさんあるのにくだらない議論ばっかりしておかしいね?税金の無駄でしょ」
また、ソーシャルサイトTwitterで、同じように「森友 どうでもいい」とのキーワード検索しても、別の課題が国会で取り上げられていないことを懸念するユーザの声が聞かれた。
安倍総理大臣とともに一連の野党側の質問に回答するため、麻生副総理兼財務大臣は、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催されるG20に欠席した。「森友問題でG20に出られなかったんだぞ。G20に出られなかった事がどれだけ日本のリスクになるか解ってないの?森友問題なんてカス以下のどうでもいい事で世界と話をする機会をつぶしやがったんだぞ。国家反逆レベルの悪質な政治つぶしだ」
また、本来ならば、国の予算を閣議決定する予算委員会で、一学園をめぐる財務省の決済文書書き換えについて、大量の時間を費やして質疑応答が繰り返された。「国会の中継見てるけどさ、森友文書問題って国の借金問題より先に解決すべきことなの?森友学園がどうとか問答するのが1番国のためになるの?意味がわからない。そんなん後回しでもいいから早く国の借金問題とか経済について話し合ってくれ」
「疑惑の証拠が全く出ない森友問題。言葉遊びで1年2カ月国会が空転。今日は佐川氏の証人喚問だけど、野党とマスコミが欲しいような証言はでないよ、それでも納得せずにゴネ続けるけどね」
中国は軍の元で尖閣諸島を監視、国会はまだ森友問題
政治機構改革を進める中国共産党政権は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海などで監視活動を行う中国海警局が、人民武装警察部隊(武警)に編入され、軍の指揮下に置くことを決めた。尖閣を含む沖縄諸島、鹿児島県の奄美群島、トカラ列島は、中国が戦略展開の目標ラインとする「第一列島線」となっている。
こうした日本を取り巻く状況のなかで、国会が空転することに懸念する声も高まっている。「中国はいよいよ軍主導で尖閣奪取に向かって来た。もう森友問題なんてどうでもいい、国防について国民が真剣に考える時来たるです。一日でも早く憲法に自衛隊を明記しないと、国を守ることは出来ません」このツイートは、7000回以上リツイートされた。
いっぽう、「打倒安倍政権」を掲げる野党6党の動きには、こうした日本を巡る状況に現政権以上の対案を練っていない模様。
作家でTVコメンテーター吉木誉絵氏は、3月24日にAbemaTVの時事解説番組「よるバス!」に出演。同じく出演した民進党・小西議員の「本気で政権を取ろうと考えている野党議員は殆どいない」の発言に驚愕したと、ツイッターでコメントした。「安倍政権打倒そのものが目的で、その後の責任は考えていない。だから野党からは批判ばかりで対案が出てこない。これで健全な民主主義が機能するわけない」
*「よるバス」 小西議員の「本気で政権を取ろうと考えている野党議員は殆どいない」これはかなり衝撃的な発言でした。安倍政権打倒そのものが目的で政権打倒した後の責任は考えていない。だから野党からは批判ばかりで対案が出てこない。これで健全な民主主義が機能するわけない。日本は先進後退国だ。 pic.twitter.com/w3Z74TZ4Yi
— 吉木誉絵 (@norieyoshiki) March 24, 2018
国会が一日開催される費用を概算したい。一般会計歳出予算各目明細書を元に日数から割り出すと、3億7000万円以上となる。
(文・甲斐天海)