中国の地域間における貧富の差が、依然として突出している。米ブルームバーグはこのほど、上海市と北京市の住民は、スイス国民と同じ豊かな生活を送っている一方、他地域の生活水準は、途上国であるグアテマラに近いと報道した。
同報道は、中国31省の経済状況を比較している。なかでも、東北部、沿岸部と中央部はそれぞれの経済力が大きく開いているという。
域内総生産(GDP)では、購買力調整後の1人当たりGDPは昨年、北京と上海は5万3000ドル(約588万円)を上回り、スイスと米国に匹敵する。
中国当局が、首都である北京市と国内金融センターの上海市に対して、さまざまな支援政策を実施してきたことが、両市の堅調な経済力を支えた。過去20年間、中国各地の一般的な労働力や高度な知識や技術力を持つ人材の多くも両都市に流れ、雇用されている。
一方、昨年の貴州省、雲南省、甘粛省の1人当たりのGDPは1万ドル(約111万円)を下回った。ウクライナ、エルサルバドル、グアテマラと同じ水準だという。
ブルームバーグは、中国経済発展の不均衡を指摘した。中国の大都市では、電気自動車を保有し、画像認識技術が駆使された広告を利用する消費者がいる一方で、一部の農村部では、水道などのインフラさえ整備されておらず、自力で井戸から水をくみ取る必要がある。
(翻訳編集・張哲)