抑制しても効果なし? 西安市の住宅価格、4月に7割急騰

2018/05/30 更新: 2018/05/30

価格が高騰する一方の中国不動産市場。当局は抑制策を相次ぎ打ち出したが、抑制すればするほど価格は上昇している。

中国陝西省西安市の地元メディア「華商報」(28日付)によると、中国当局直属研究機関、中国社会科学院がこのほど実施した4月の不動産市場調査で、西安市の住宅価格が前年同月比73.8%急騰したことが分かった。

中国社会科学院の財経戦略研究院が公表した4月の141都市のビッグデータ住宅価格指数(BHPI)で、西安市の住宅価格上昇率が、全国1位だと示された。
2位は四川省の成都市。同市の住宅価格は同56.4%と大幅に値上がりした。

一方、自由貿易港建設が計画されている海南省三亜市の住宅価格は、前月比で9.59%上昇。全国首位になった。同省海口市では同3.41%と拡大し、4位になった。

西安市と四川省重慶市は同4.33%と3.47%上昇し、2位と3位になった。

同統計によると、中国141都市の1平方メートル当たり新築住宅物件販売価格ランキングのトップ5は、北京(5万5589元、約94万5013円)、深セン(5万1902元、約88万2334円)、上海(5万986元、約86万6762円)、アモイ(3万7070元、約63万190円)、杭州(3万547元、約51万9299円)だった。

また、国家統計局が16日に発表した4月の全国70大中都市住宅販売価格動向によると、70都市のうち、58都市の新築住宅価格が前月比で上昇した。

中国不動産市場調査会社、中原地産研究センターによると、16年9月から今年5月18日まで、全国各地方政府が打ち出した住宅抑制措置は累計125回。今年に入ってから、中小都市まで抑制策が相次いで実施された。60都市で、住宅購入後の転売禁止措置が実行されたが、一部の都市は依然として価格が上昇している。各地では、販売物件数が限られる新築住宅を購入するために市民が殺到している。27日、杭州の新築物件100戸に対して1万人が押し寄せ、けが人が出るほどの過熱ぶりだった。

専門家「抑制策は価格上昇のためにある」

経済学者も説明できない中国不動産市場の異様さについて、中国元不動産王の任志強氏は18日、「抑制策は、住宅価格の上昇のためにある」との持論を展開した。

任氏はこの日、浙江省温州市の不動産関連会議で発言した。

同氏によると「住宅抑制措置が実施された都市では、住宅価格が必ず上昇する」

その理由について、「各種の抑制措置が厳しくなるにつれ、新築物件より中古物件の方が高くなるという現象」が生じているためだと分析している。当局は新築物件には転売などの制限をかけ、価格高騰を抑制するため上限価格も設定している。儲けが減ると、開発業者は物件販売数を減らし、一部の消費者が中古物件の市場に流れ、中古の価格を押し上げた。

また、同氏は「例えば、新築物件が(1平方メートルあたり)5万元(約85万円)、同じ条件の中古物件が6万元(約102万円)で売れるとする。これは、政府はあなたに『早く不動産を買ってください』とのメッセージを送っているのと同じ。というのは、新築物件を転売したら、1万元は儲かるから。だから、新築物件が発売されると、市民が殺到し、住宅価格を吊り上げた」と指摘した。

(翻訳編集・張哲)
 

関連特集: