5日付のロイター通信の報道によると、米政府は台湾海峡への軍艦派遣を検討している。米中通商問題、北朝鮮の核問題をめぐって米中関係がギクシャクするなか、米は台湾問題においても、対中圧力を強める姿勢を示した。
最近、中国の軍用機が頻繁に台湾海峡周辺空域を飛行し、台湾側を威嚇している。ロイターは、米高官の話を引用して、「米は今年に入り、少なくとも1回、同海峡に航空母艦の派遣を検討した。しかし、中国への配慮で実施しなかった」「中国軍の挑発行為を受け、米軍は台湾海峡への軍艦派遣を再検討している」と報道した。
米航空母艦が前回、台湾海峡を通過したのは2007年。
台湾の程建人・元外交部長(外相)は5日、米のラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、台湾海峡は公海であるため、国際法に基づく米軍艦の通過は「全く問題がない」と述べた。
「台湾表示問題」で各国の企業に圧力を強める中国に対して、米トランプ政権は強く反発している。程氏は、米の軍艦派遣の検討は、中国に対するけん制だとの見方を示した。
台湾淡江大学の黄介正教授は、軍艦派遣検討を通じて、「米政府は中国に対して、台湾は米国の安全保障の対象であると強調したうえ、海峡周辺で軍事的な挑発行為を繰り返す中国への警告でもある」と分析した。
今月12日、台湾台北市で、米国在台湾協会(AIT、大使館に相当)の新庁舎が完工する。米国では3月、米台政府要人らの相互訪問を促す『台湾旅行法』が成立したのを受け、トランプ米政権は、外交関係者を落成式に派遣すると推測される。
ロイターは、米政府関係者の話として、12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催されるため、米高官の訪台の可能性は低いとした。しかし、米政府は9月のAITの開所式に高官を派遣するとの見通しを示した。
黄教授は、台湾に近いジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、10日前後にシンガポールに行く途中で短時間、台湾を訪れる可能性があるとした。
(翻訳編集・張哲)