中国では、インターネット上で中小企業や個人である借り手と一般投資家を仲介する融通事業、「P2P(ピア・ツー・ピア)金融」業者の倒産が相次いでいる。なかでも、投資家の資金を持ち逃げし、行方をくらます経営者が続出している。6日、巨額な被害を受けた投資家は北京の中央政府に対して陳情活動を計画したが、当局に阻止された。米ラジオ・フリーアジア(RFA)が6日報道した。
報道によると、中国全国各地の数千人のP2P金融投資家はソーシャルメディアを通じて、北京にある金融当局の前での陳情活動に参加しようとした。
中国インターネット上に投稿された動画によると、一部の投資家は外出中、警官に身柄拘束されたほか、上海の投資家は在宅中に、無理やり自宅に押し入ってきた警官に、北京に行かないよう恫喝(どうかつ)された。
また、フランス通信(AFP)の報道によれば、投資家らは6日に、北京市内の月壇公園に集合した後、同区にある中国銀行保険監督管理委員会(銀監会)まで進行し、銀監会の庁舎前で陳情しようとした。事前に情報を入手した警察当局は、各地で警戒態勢を強化した。銀監会から釣魚台国賓館まで距離3キロの道路上では、陳情者を地元に送還するために、120台のバスが待機していた。北京市警察当局はまた、一部の陳情者の身柄を拘束した。
中国では2007年以降、P2P金融会社が各地で現れ、12年に急速に発展し、15年には業者数は4000社を上回った。投資家の人数も数十万人から300万人に急増したという。現在、P2P金融の利用者は5000万人いるとみられる。
カナダ在住の時事評論家の文昭氏はRFAに対して、事実上「高利貸し」であるP2P金融の急速な拡大の背景には、当局の厳しい規制で、国民には十分な資産運用ツールがない現状があるとの見方を示した。
昨年の中国当局による金融セクターへの監督管理・規制強化、今年に入って国内経済状況の悪化で、このほどP2P業者の倒産、閉鎖、廃業が急増した。在米中国経済学者の何清漣氏は7月30日大紀元への寄稿で、6月から7月末までに約150社のP2P業者が事業閉鎖したと指摘した。
急な破綻や当局による業界への取り締まりで、業者の数は今2000社を下回った。
(翻訳編集・張哲)