中国湖南省耒陽市では最近、子供の強制転校に不満を持つ保護者が大規模な抗議デモを起した。鎮圧にあたった警備隊とデモ隊が激突した。警察当局はデモ参加者46人を拘束したと、耒陽市当局が発表した。
中国メディアやインターネットでの書き込みなどによると、耒陽市当局は8月、近年、同市の就学人口が増え、公立小学校の1クラス当たりの人数が多いとして、5、6年生を中心に私立学校に転校させると市内の各学校に通達した。対象となる学生数は約8000人。
8月末、学生とその保護者らが私立学校に登校すると、教室や学生寮が改築したばかりの状態で、室内から、強い毒性を持つホルムアルデヒドの匂いがしたという。また、学費が今までより数倍高いことも判明した。
9月1日午前、一部の保護者と子どもが小学校、市政府、市教育委員会などの庁舎前で、横断幕を掲げて、転校措置を取りやめるよう陳情した。当局は対応せず陳情を無視した。その間、市民数人が警官に連行された。
同日夜8時頃、保護者らが再び地元警察局庁舎の前に集まり、拘束されている市民を解放するよう求めた。2日早朝1時ごろ、警官らが抗議者に対して警棒で暴行し、鎮圧を図った。
中国政府系メディアは、抗議者らが投げつけたビール瓶やレンガなどで、警官ら約30人が負傷と報じた。市民側の死傷状況は伝えていない。当局はデモ参加者が600人規模と公表した。
一方、耒陽市民の張さんは大紀元に対して、2日の日中も、警察局庁舎の前で数千人規模のデモが行なわれたと述べた。1日から2日早朝にかけて起きたデモでは、多くの市民が負傷したという。
市民の李さんによると、地元の公立学校の学費は1学期約数百元(数千円)に対して、私立学校では、学費と他の雑費などを合わせて数千元(数万円)。耒陽市民の月収は2000~3000元(約3万2440円から4万8660円)の水準で、家計への負担は何倍も増えることになる。
保護者の大半は、高い学費負担と教室内の有害物質に強い不満を示している。
市民らは、地元教育当局の措置は実質的に経営難の私立学校への支援策だと批判した。
(記者・駱亜/顧暁華、翻訳編集・張哲)