中国最高人民検察院は7日同ウェブサイトで、中国国有造船大手の中国船舶重工集団公司(CSIC、以下は中船重工)の孫波・前社長兼党組副書記(58)を、収賄罪と国有企業職員の職権乱用の容疑で正式に逮捕すると発表した。
中国当局は昨年6月、「重大な規律違反と違法行為の疑いがある」として孫氏を拘束し、12月に党籍はく奪処分と公職追放処分を決めた。
1999年に設立された中船重工は、国務院が管轄する超大型国有企業で、中国の10大軍需企業の1つで、中国国産空母や海軍艦船の建造も担っている。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは昨年12月の報道で、孫波氏は汚職問題のほかに、中国初の空母「遼寧」に関する機密情報を外国情報機関に売り渡したとした。同紙は、孫氏が死刑判決を言い渡される可能性があるとの見方をした。
また、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、孫氏の案件が多くの国家機密に関わるため、裁判の詳細は公表されないだろうとの見方を示した。
台湾メディアは、孫氏による空母の機密情報漏えいが事実であれば、1986年兪強声・中国国家安全部外事局長が機密情報を持って米国に亡命したことに次ぐ大事件だと主張した。
孫波氏はこれまで、大連造船新廠造船技術所の副所長、大連造船重工有限責任公司の取締役や社長、大連船舶重工集団有限公司の会長や社長を歴任してきた。大連造船新廠と大連造船重工有限公司は、大連船舶重工集団有限公司の前身だった。大連船舶重工集団有限公司は、中船重工の傘下子会社である。
中国当局が孫波氏を拘束した後、中船重工の幹部を相次いで摘発した。当局は「重大な規律違反と違法行為の疑い」があるとして、昨年9月10日に、中船重工第712研究所元所長の金燾氏を、12月24日には同社第718研究所の元所長兼党委員会委員の卜建傑(ぼくけんけつ)氏に対して取り調べを始めたとそれぞれ発表した。
(翻訳編集・張哲)