米ワシントンで開かれた6回目の米中閣僚級通商協議は現地時間1月31日に終了した。中国の輸入拡大と市場開放で一定の進展が見られたものの、米側が最も問題視する、海外企業に対する技術移転の強要や、産業補助金など構造的な問題では合意に至らなかった。対立点は2月に予定されている協議に持ち越しとなった。
双方は、中国企業による米企業への強制技術移転や中国当局の知的財産権保護強化、米企業の技術窃盗を目的にしたサイバー攻撃、中国の生産過剰、人民元など、7つの項目について協議を進めた。交渉団トップの劉鶴副首相は、1日当たり500万トン規模の大量の大豆を購入すると表明するなど、輸入拡大で一層の譲歩する姿勢を見せた。
ホワイハウスは同日発表した声明で、今回の協議について「進展はあったものの、まだ取り込まなければならないことが多くある」とした。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)1日付は、米中双方は依然として隔たりを埋められなかったと報じた。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、情報筋の話を引用し、米政府が求める中国国有企業への補助金交付撤廃や構造改革については言及していない。
中国代表団は、中国当局は米企業に対して技術移転を強要していないと主張した。中国側はまた、強制技術移転を禁止する「外商投資法」の法整備、米農産品の購入拡大、自動車関税引き下げなど含む改善措置を実施したと強調した。
いっぽう、米政府は中国当局の法の執行を疑問視したという。米政府は今後、中国当局が提示した改善案の実施状況を確認しなければならないと再強調した。
協議終了後、トランプ米大統領は中国の劉鶴副首相が率いる代表団と会談した。その席で習近平国家主席のトランプ大統領に宛てた親書が読み上げられた。習主席は親書で、「(米中が)それぞれ一歩引いて、早期に合意できるよう望む」と強調した。
劉副首相はトランプ大統領に対して、2月下旬に中国の海南省で習近平国家主席との首脳会談を提案した。
トランプ大統領は1月31日、中国の提案を受け入れ、習氏との首脳会談で貿易問題の最終決着を図る意向を示した。
トランプ大統領は劉副首相ら一行と会談した際、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が、2月中国で開かれる予定の米中通商協議に出席すると明らかにした。
ホワイトハウスは声明では、交渉期限である3月1日までに合意できなければ、予定通り中国製品に対して追加関税を実施すると示した。
(翻訳編集・張哲)