非公式発表の情報によると、米連邦選挙管理委員会(FEC)は違法な外国人政治献金があったとして、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事の選挙運動団体と、この団体に130万米ドルの献金を行った中国人企業に合わせて94万米ドルの罰金を科した。ロイター通信によると、米史上3番目の高額だという。
選挙管理委員会は、政治倫理を監視する無党派機関キャンペーン・リーガル・センター(CLC)の申し立てと、新興メディア・インターセプトの報道を受けて、ジェブ氏の資金調達について調査していた。
ジェブ氏はブッシュ元大統領の兄弟で、2016年大統領選の共和党候補者として一時は最有力視された。当時、ジェブ氏が立ち上げた政治資金団体は「立ち上がる権利(Right To Rise)」。
インターセプト2016年8月の報道によると、130万米ドルの寄付は、ジェブ氏の弟ニール・ブッシュ氏が役員を務める中国人経営の国際投資会社「米太平洋国際基金(APIC)」から、「立ち上がる権利」に贈与された。ニール氏は中国で広くビジネスを展開し、シンガポール拠点のAPIC姉妹企業で代表取締役も務める。
米誌「マザー・ジョーンズ」3月11日付によると、ニール氏は中国籍の唐逸剛(Gordon Tang)APIC代表取締役と、同じく中国籍の陳懷丹(Huaidan Chen)APIC役員からも献金を募っていた。
報道によれば、米国籍のウィルソン・チェン(Wilson Chen)APIC役員は企業献金について「中国の伝統と儀礼であり、権威者への敬意を示すものだ」と述べたという。
今回、選挙管理委員会はAPICに55万米ドル、「立ち上がる権利」に対して39万米ドルの罰金を命じた。
政治資金専門の弁護士であるチャーリー・スピース(Charile Spies)氏によると、アメリカでは外国人による献金を厳しく規制し、選挙活動の「意思決定のプロセスに直接的または間接的に関わる」ことを禁じている。
ニール氏は代理人を通じて、米誌「マザー・ジョーンズ」の取材に答えた。選挙管理委員会やキャンペーン・リーガル・センターの決定を尊重するが、献金の違法性は否定した。
独立メディア・オープンシークレット3月12日付によると、APICは2015年から、ドナルド・トランプ大統領候補の対抗馬となる民主党ヒラリー・クリントン候補やアジア系米国人の有権者を動かす政治資金団体、州の民主党候補への献金も行っていた。
選挙管理委員会による巨額罰金の発表は、米選挙運動に外国勢力が干渉していることを証明した。キャンペーン・リーガル・センターの連邦改革担当ブレンダン・フィッシャー(Brendan Fischer)氏は米誌「マザー・ジョーンズ」の取材に対して、APICによる各政治献金も、違法性を否定できないという。
「政治献金も含めてAPICの動きには中国籍の唐代表の意思が深く反映している。他の献金も違法の可能性がある」とフィッシャー氏は述べた。
(翻訳編集・佐渡道世)