中国共産党機関紙・人民日報は2日、海外SNSであるツイッターアカウントで、台湾の花蓮県花蓮市の美しい海岸を撮影した動画を投稿し、英語で「地球上の桃源郷」「空撮した中国花蓮市の海岸景色」と説明した。専門家は、中国当局が台湾に関する情報の誤認を狙っていると指摘する。
台湾の呉釗燮外交部長(外相に相当)は、外交部(外務省に相当)の公式ツイッターを通じて、英語で「花蓮市は中国ではなく、台湾である。たわ言を言うな!」と強く非難した。
中国共産党の代弁者である人民日報のツイッター上の書き込みに対して、ネットユーザーは、「人民日報、あなたはどうやってツイッターにアクセスできたのか?VPN(訳注・検閲を回避できる仮想プライベートネットワーク)を使ったのか?」との質問を書き込んだ。当局のネット封鎖政策で、中国国内からは海外SNSのツイッターやグーグル、フェイスブックなどは利用できない。
台湾に亡命した中国出身の反体制活動家・温起鋒氏はフェイスブックで、呉外相のツイッターを転載し、「中国当局は現在も台湾統一を狙っている。中国共産党政権による台湾への侵略行為にほかならない」と書き込んだ。
温氏はRFAに対して、「中国当局はメディアを利用して、全世界の人々に『台湾は中国の一部だ』という誤った認識を与えようとしている」と指摘した。
また、中国当局が最近台湾への挑発行為を強めたことは、「国内の政治的圧力の上昇に関係する」との見解を示した。温氏は、「米中貿易戦の影響で、中国の経済状況が急激に悪化したため、中国当局にとって求心力のための政権維持資金が大幅に減った」と分析。このため、台湾への威嚇は「国民の不満や関心をそらすことが目的だ」とした。
いっぽう、台湾旅行業界の関係者によると、これまでの約20年間、中国本土の観光政策当局である国家旅行局は、対外観光宣伝において「日月潭」などの台湾の有名観光地について、「中国では絶対外せない観光スポット10選」としてPRしている。
(翻訳編集・張哲)