香港入境管理局は25日、中国出身で日本国籍の男性(39)の入境を拒否した。理由は明らかにされていない。
入境を拒否されたのは千葉県在住の章俊さん。大紀元の取材に答えた章さんによると、成田空港から香港国際空港に到着したが入境管理処の警察官により制止された。2時間後に「条例上の理由」で入境できないことを告げられた。具体的な理由は明かされなかった。
その後、日本行きの飛行機に搭乗するよう命じられたが、章さんは説明のないままの送還に不服を申し立て、日本行きの便の搭乗を拒んだ。十数名の警察官は2度ほど無理やり章さんを機内に押し込もうとしたという。
章さんは在香港日本国総領事館に仲裁を求めたが「領事館としてできることはなく、空港職員の指示に従うように」と拒んだ。
章さんは中国出身で数年前、日本の国籍を取得した。現在日本のある大手企業で管理職として勤務している。中国当局に活動を禁止された気功団体・法輪功の学習者。
25日に香港で開催予定の中国当局からの迫害停止を求める法輪功のパレードに参加するために、香港入境を試みた。章さんはこれまで複数回、香港を訪れているが、入境拒否されたのは今回が初めてだという。
最近、中国共産党政権の香港に対する締め付けが目立っている。香港立法会(議会)で最近、犯罪人の移送を定めた「逃亡犯条例」について、中国本土への引き渡しが可能となるよう改正の審議が始まった。中国では公正な裁判が保障されていないため、市民からの反発が高まっている。
また、24日、香港裁判所は2014年の民主化デモ「雨傘運動」の提唱者9人に有罪判決を言い渡し、市民らは連日、高度な自治が保証される「一国二制度」が侵害されたとして、集会を開催している。香港当局は高まる市民の不満に神経を尖らせている。
章さんは「空港の職員も(私を入境禁止にするとの)指示に納得していない様子だった」と大紀元に述べた。
(大紀元編集部)