米IT大手グーグルが19日、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)へのソフトウェアやハードウェア、一部の技術サービスの提供の停止を決めたことが明らかになった。グーグルの決定で、ファーウェイの重要な欧州事業に大きな打撃を与え、今後欧州市場から撤退を余儀なくされるとみられる。ドイチェベレ中国語電子版が20日伝えた。
トランプ米政権によるファーウェイへの輸出禁止措置を受けて、グーグルは19日、「(米政府の)命令を順守し、影響を見守る」と表明した。
ファーウェイは今後、グーグルのスマホ向け基本ソフト(OS)である「アンドロイド」の利用・更新ができなくなるほか、グーグルのメール・サービス「Gメール」や「ユーチューブ」などのソフトも利用できない可能性がある。
ファーウェイは20日、ドイチェベレの取材に対して、販売された、またはすでに出荷した海外向けスマホやタブレット端末について、「(ソフトウェアの)更新などのアフターサービスを提供していく」とした。
ドイチェベレによると、グーグル側は、すでに販売されたファーウェイのスマホに関して、引き続き「グーグルプレイ・ストア」と「グーグルプレイ・プロテクト」などのサービスを利用できるとした。
しかし、ファーウェイとグーグルは、今後ファーウェイが製造するアンドロイド・スマホを購入した場合、利用者が手動でグーグルのソフトウェアなどをダウンロードできるかどうかについて明確に示さなかった。
ファーウェイは近年、世界最大のスマホメーカーである韓国のサムスン電子に次ぐ2番目に大きいスマホメーカーに成長した。2018年、ファーウェイは約2億800万台のスマホを製造し、その半分が海外市場で販売された。海外市場のなかで、欧州は特に重要だ。欧州はファーウェイにとって、中国本土市場に次いで2番目に大きい市場だという。
米市場調査会社IDCが今年始めに公表した調査報告書によると、欧州スマホ市場におけるファーウェイの市場シェアは29%に達した。
フランス通信(AFP)やドイツ通信社などの欧州メディアは、グーグルのソフトウェアやサービスを利用できなくなることで、欧州の消費者がファーウェイのスマホに魅力を感じなくなり、場合によって、使用者の激減で同社は今後欧州市場から撤退せざるを得ないとの見方を示した。
ファーウェイは欧州市場を確保するため、現在欧州各国政府へのロビー活動を強化している。同社は、各国政府の支持と信用を得るため、各国と「スパイ防止協定」を交わそうとしている。
ドイチェベレによると、ファーウェイは、同社製品の不正アクセスにつながるセキュリティキー上の脆弱性を修正しており、ファーウェイ製品で集められたデータを中国当局に渡さないと欧州各国政府に強調している。しかし、各国政府は、ファーウェイへの不信感が依然として強いという。
独紙・南ドイツ新聞19日付は、欧州各国と「スパイ防止協定」を締結する必要があるのはファーウェイではなく中国当局であるため、ドイツ政府はファーウェイと協定を結ばないとの見方を示した。報道によると、ドイツ連邦内務省の報道官は、中国当局は同協定の締結について消極的だと批判した。
(翻訳編集・張哲)