米ネットニュースメディア「インターセプト」によると7日から、中国国内から同社サイト、米ワシントンポスト、英ガーディアン、米ハフィントンポスト、米NBC、米クリスチャン・サイエンス・モニター、米ブライトバート・ニュース、加トロント・スターなどのウェブサイトを閲覧できなくなった。
閲覧制限された理由は現時点では、分かっていない。北京で起きた民主化を求める大学生や市民を武力弾圧した「天安門事件」30周年に当たる6月4日から、中国当局はネット検閲を強化した。今年、海外メディアは特集を組むなど当時の状況を詳しく報じていた。
中国共産党政権のインターネット検閲を監視するGreatFire.orgの共同創設者チャーリー・スミス氏は、西側メディアに対する検閲は明らかに新たな段階に入ったと指摘。「中国当局は、国民と共産党とのつながりから離れた、あらゆるニュース、情報からの遮断を強化をしようとしている」と述べた。
インターセプトは、米検索大手グーグルが中国向けに検閲ソフトを搭載する検索エンジン「トンボ」を開発していると最初に報じたメディア。
自由のない国内ネット、海外では宣伝を強化
いっぽう、人権団体フリーダムハウスは5日、『自由とメディア2019』と題する特別レポートを発表した。それによると、中国共産党政府は、海外メディアの報道内容に影響力を急速に拡大させている。レポートは同アジア上級研究員サラ・クック氏の研究報告を引用し、中国は広告資金などを通じて、海外の自由な報道に干渉していると指摘した。
報告によると、中国政府は1、共産党の物語を宣伝 2、共産党に対する批判的な視点を抑圧する 3.コンテンツ配信システムを管理する、という3つの主要な戦略を通じて、対外戦略を展開している。
クック氏は、こうした中国共産党政府の行動は、公正な競争を損ない、法の支配を弱体化させ、共産党政権下の中国から離れた海外中国コミュニティを妨害し、干渉することになると批判した。
クック氏は、民主主義国家の政策立案者やメディア開発者は、中国共産党による海外メディアへの影響拡大に対抗でき、重要な役割を果たすことができると提言した。
(翻訳編集・佐渡道世)