チャットアプリのTelegram(テレグラム)は12日夜、中国発とみられる大規模なサイバー攻撃を受けていると発表した。同社最高経営責任者(CEO)のパーベル・ドゥロフ氏は、攻撃は香港で起きている大規模なデモと関連性があるとの認識を示した。デモ参加者は同アプリを使用して情報を伝達している。
同アプリはメッセージを暗号化することで機密性が高いと言われている。
We’re currently experiencing a powerful DDoS attack, Telegram users in the Americas and some users from other countries may experience connection issues.
— Telegram Messenger (@telegram) June 12, 2019
ドゥロフ氏によると、12日に同社サーバーは非常に強力な「DDoS攻撃」(Distributed Denial of Service 、分散型サービス妨害)を受けた。サーバーに送られてきた大量のリクエストのほとんどが中国から発信されたものだという。
サイバー攻撃で複数の地域でシステム障害が発生したが、数時間後に回復した。
同氏はツイッターで、攻撃の発生時間は、香港デモが激しさを増した時間帯と重なっていたと書き込んだ。また、これまで同社が受けた国家レベルのDDoS攻撃が、香港でデモが発生するタイミングと全て一致していたため、「これは偶然ではない」と示した。
一方、香港警察は11日の夜、同アプリのグループ管理者の男性を「公衆妨害共謀罪」で逮捕した。男性は22歳の大学生で、2万人が参加するグループを管理している。メンバーは催涙ガスや胡椒スプレーの対処法についてグループ内で話し合っていた。
12日、香港市民数万人が「逃亡犯条例」改正案に反対し、立法会(議会)を包囲した。警察官は催涙弾やゴム弾を発射して、デモ隊の強制排除を行った。
(翻訳編集・李沐恩)