ロイター社によると、中国通信大手の中興通訊(ZTE)は、アルゼンチン北部の奥地「フフイ(Jujuy州)」に防犯カメラの設置を進めている。双方は今年3月に3000万ドルの契約を締結した。この小規模ビジネスに関するメディアの報道は少ないものの、米国が警戒を示している。
ZTEは3年ほど前からこのプロジェクトを推し進めてきた。契約内容に、防犯カメラの設置、モニタリングセンターの建設、緊急サービスおよび情報通信インフラの設置などが含まれている。
米国は国家安全保障上の懸念から、中国通信大手のファーウェイに対し、ますます強硬な姿勢を示している。米国企業はファーウェイに対して機密技術を販売することを禁止し、米国の同盟国に対しても、中国の技術、特に通信やセキュリティに関する技術の導入を控えるよう通達した。
米国の政府機関も、ファーウェイおよびZTEの製品の購入を禁止した。
米国国務省のスポークスマンは声明で、ワシントンは、ZTEのフフイ(Jujuy州)プロジェクトを「憂慮」していると述べ、また、「中国(共産党)はビッグデータを収集、利用することで、社会の腐敗を助長し、市民を監視し、反体制派の口封じに力を入れるだろう」と指摘した。
今回のプロジェクトのデータ処理に関して、ZTEは公表を拒否し、米政府の声明に関してもノーコメントを貫いている。
ロイター昨年11月14日の報道によれば、ベネズエラの独裁色の強いマドゥロ氏の肝いりプロジェクト、「The Motherland Card(祖国カード)」と呼ばれるスマートIDカードの新バージョンは、中国政府の社会信用システムを模倣して作られた。その中には、市民の家族情報、収入、個人資産、医療情報、利用するソーシャルメディア、所属政党、投票内容など、ありとあらゆる情報が記録されている。そして、このカードによる社会信用システムはZTEによって構築されている。
(翻訳編集・笹原悦子)