スマートフォンや電気自動車などハイテク産業に欠かせないレアアースについて、日米豪は協力して供給ルートを確保する。
中国のレアアース産業における優位性に挑戦することになる。日米豪は、アジア太平洋地域における中国の覇権への抵抗に協力している。
日経アジアレビュー7月28日付によると、この計画にレアアース供給大手・豪ライナス(Lynas)社が協力する。同社は中国以外では世界最大のレアアース生産企業で、世界シェアは約12%となる。2021年までに米国で工場を開設する計画だ。
同社は5月20日、米ブルーライン社と提携してテキサス州にレアアース分離精製工場を建設すると発表した。中国以外では唯一となるレアアース分離精製の大型企業が誕生する見込み。ライナス社の最高経営責任者(CEO)アマンダ・ラケーズ(Amanda Lacaze)氏は「レアアースの供給ルートを確保し、米国のサプライチェーンの重要な空白を埋める」と説明している。
米国地質調査所のデータによると、2014年から2017年まで、中国が供給するレアアースは世界の7割以上を占める。
中国は、2011年沖縄の尖閣諸島をめぐる日本との外交的な紛争から、対日レアアース輸出を規制した。日本はこの経験から、単一国へのレアアース依存によるリスク分散を測り、他国のシェアを拡大している。
日経によると、大手商社・双日と日本石油天然ガス・金属鉱物資源機構は2011年、レアアースの安定的な供給ルートの確保のために、ライナスに2億5000万ドルの出融資をした。日本は現在、ライナスの最大顧客であり、同社の希土類需要の3分の1を占めている。
米中貿易戦では、中国政府はレアアース輸出制限を交渉カードの一つにすると予想されている。米国は、国内や豪州からのレアアースのルート確保を模索している。
(翻訳編集・佐渡道世)