マカオ警察当局は19日、香港の抗議活動を支持する市民7人の身柄を拘束した。中国当局に近いマカオ政府は、抗議デモがマカオへ広がることに神経を尖らせている。マカオでは25日に特別行政長官選挙を控えている。米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が20日報じた。
報道によると、マカオ市民は19日、観光名所のセナド広場で香港市民の抗議デモを支援する集会を行う予定だった。マカオ警察当局が集会を許可しなかったため、主催者側は集会をキャンセルした。
警察は同日午後から、私服警官などを投入し、セナド広場の周りに約100人の態勢で警戒に当たり、通行人の荷物検査をしていた。夜になると、黒いTシャツを着た一部の市民らは広場に集まり、沈黙のままその場に立つことで香港市民にエールを送ろうとした。
その後、当局は7人の身柄を拘束した。マカオ市民4人、中国本土出身者2人と香港市民1人だという。
RFAによると、20日早朝に解放された香港市民の男性は「拘束中、警官らは絶えず私に『どこから集会のことを知ったのか』と質問した」と明らかにした。男性は、集会の様子を撮影するためマカオを訪ねたと言った。同氏は、平和な集会を禁止されたことは、「中国当局の恐怖政治が、すでにマカオまで拡大していることを反映している」と話した。
マカオは香港と同様に、「一国二制度」の下で、中国特別行政区として高度な自治を保障されている。
また、19日、広場にいたマカオ人の時事評論家、蔡梓瑜氏はRFAに対して、「マカオ警察は、『マカオ基本法(憲法)』が定めた市民の言論の自由と集会の権利を侵害した」と非難した。
マカオの地元メディアによると、19日夜、同広場に中国当局を支持する白い服を着た男性約30人も集まった。なかには、中国国旗を掲げている人もいた。警察当局はその場で男性らに職務質問をしたが、身柄の拘束はしなかった。
一方、マカオでは今月25日、特別行政長官選挙が行われる。立候補者は、立法会(議会)の議長やマカオの全国人民代表などを務めた親中派の賀一誠氏(62)の1人のみだ。賀氏は、親中派が大半を占める選挙委員会400人のうち379人の推薦を獲得したため、25日の投票で当選は確実とされている。
(翻訳編集・張哲)