華為と中国軍の関係を暴く映画「赤い龍の爪」9月公開 バノン氏が制作統括

2019/09/07 更新: 2019/09/07

大紀元英字版はこのほど、ホワイトハウスの元首席戦略官で、保守派メディア・ブライトバートニュースの元代表スティーブ・バノン(Steve Bannon)氏にインタビューした。バノン氏は9月、大紀元メディアグループ・新唐人テレビと共に制作した華為と中国共産党政権と中国軍の関係を暴く映画を公開する。

バノン氏は9月に公開予定のフィクション映画『赤い龍の爪(Claws of the Red dragon)』で制作統括を務めた。同映画は中国共産党政権が、自由主義諸国の資本と技術力の協力を通じて権力と富を得て、海外で巻き起こる異論でさえ国内同様に抑圧し、世界覇権の野心を進めていることについて描写した。

映画は、カナダ当局が米の要請に応じ、対イラン禁輸違反の容疑で華為技術の最高財務責任者(CFO)を逮捕し、その後、カナダ人元外交官らが報復の的となり、中国当局に逮捕されるという脅迫的な手法を取り上げた。ほか、華為の圧力を受けてシンガポールの研究所に勤めていた米国人研究者の「自殺」事件などについて描く。

映画公開を前に、バノン氏は大紀元のインタビューに応じた。

バノン氏は、中国軍と協力する華為技術が、次世代通信企画5Gを世界に構築しようとすることは「米国が直面する最大の安全保障上の脅威」と表現した。この脅威の強さは「核兵器以上」とした。将来の社会のあり方は通信技術に依存しているからだという。

華為の公式ウェブサイトによると、現在同社は世界30億人にサービスを提供している。従業員は20万人で、170カ国と取引している。

「華為が西側諸国の通信システムを制御可能になれば、その国を制御できることになる」。また核兵器の持つ脅威よりも不可視的な「ステルス性」の脅威を有しているとした。

バノン氏によると、米当局は華為と中国当局との関係について2007年から調査を始めた。にもかかわらず、「例えばパリやニューヨーク、ロンドンで華為の看板が掲げられていても、誰も警戒を抱かず、(中国軍との背景など)議論もしなかった」と述べた。

バノン氏は、西側諸国の思想リーダーたちは、1989年天安門事件以降の中国の動きを見誤っていたと述べた。「彼らは約束を交わし、ウソをつき、やぶる。また約束を交わし、ウソをつき、破る。ずっとこの手法を取っている」

華為の調査開始からブッシュ、オバマの2政権を経た11年後、華為の最高財務責任者(CFO)が逮捕された。これについて、バノン氏は「トランプ政権下における米国の変化の現れ」であり、大統領が先日の記者会見で、「私は選ばれた者」と表現したことの理由であると述べた。

中国に寄生するならず者集団

バノン氏によると、孟晩舟CFOの逮捕について、カナダ政府には葛藤があった。中国共産党による報復や抑圧が想定されていたためだ。バノン氏は映画について「真に正義と誠実のために決意する人々の姿を収めた」と語った。

バノン氏は、中国共産党は中国に住み着く寄生したならず者集団であり、マフィアだと表現した。さらに、「中国共産党は、かつての西側エリートによって作られたゾンビだ」と述べた。

「中国の人々は、世界でも大変勤勉でまともな人々だ。中国共産党の過激な全体主義と監視状態により抑圧され、奴隷と化している」

「彼ら(共産党)は法の支配を守らない犯罪者だ。一般市民を奴隷化するために惨たらしいことをしている」として、ウイグル族、チベット仏教徒、クリスチャン、そして法輪功学習者に対する迫害を例にあげた。

バノン氏は、このならずもの集団に香港市民は現在、立ち向かっているとした。「香港の人々は最も秩序を大事にしていた。正しい考えを持つ人々だ。基本的に資源を持たない孤島だが、英国の法に則った慣行と中国人の特徴を併せ持つ香港人は、世界3番目に大きい資本市場を生み出した」

すでに3カ月目に入った香港市民デモは6月、香港政府による、中国本土への容疑者引き渡し条例改正案に端を発する。

バノン氏 トランプ候補支援に尽力した理由は中国共産党の脅威から

バノン氏は、2016年米大統領で、トランプ候補の戦略アドバイザーを務めた。「私は長らく中国に注目してきた。だからブライトバート・ニュースでは何年も、中国共産党の台頭、脅威、世界への影響拡大について説いてきた」と述べた。

中国の動きに焦点を当てる中で「最も感銘を受けたのは大紀元だ。他では見ることのできない視点、報道がある」と評価した。「華為のことを知るようになったのは、ひとつは大紀元の報道がある」。さらに大紀元の非常に多くの分野の報道を読めば、共産党がいかにして中国人を抑圧してきたかが見えてくる」と述べた。

バノン氏は、現在の米中貿易摩擦を多くの報道が「米中貿易戦争」だと例えているが、その構図の描き方は違っていると見ている。「これは中国共産党が民主主義の国に仕掛けた、経済戦争だ」

今の世界は奴隷化された経済システムと自由な貿易システムに二分されているとした。「共産党は人の基本的権利を奪い、低い賃金、健康保障も年金もなし、酷い労働環境だ。彼らは、西側諸国にあふれる安価な製品を作るために、死ぬまで働いている」

バノン氏は、中国人だけが中国を自由にすることができると信じている。「これは西側諸国などの部外者にできることではないだろう」

(聞き手・Jan Jekielek/翻訳編集・佐渡道世)

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