中国のソーシャルメディアの微信(ウィーチャット)に15日、高官の寿命を150歳に延ばす「981高官健康プロジェクト」の動画広告が流れ、注目された。ネットユーザーは、共産党の高官は特権を受けていると非難の声が高まったため、同動画は16日、削除された。米専門家は過去、中国の高官は「若者から摘出した臓器の移植を受けている」と指摘した。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が16日、ツイッター上に投稿した情報によると、同広告は中国軍301病院が掲載したもの。広告は過去60数年間、中国共産党高官への医療保健は、「探求と実践」の中で「大きく進歩した」とした。同プロジェクトについて「予防、医療、保健、回復、療養を一体化し、がん予防や心血管疾患、アンチエイジング、慢性疾患、臓器機能再生および健康的な生活スタイルを重点に、中国養生理論の研究精華と西洋医学の医療技術を深く結びあわせた特別なシステムとなった」と宣伝した
また広告は、同システムを実際に応用した際、「著しい効果を得た」とした。中国共産党政権の指導者の平均寿命は、同期の西側諸国の指導者の平均寿命を「はるかに上回った」。広告は「2008年、中国指導者の平均寿命は88歳に達した」とし、毛沢東(83)、朱徳(90)、王震(85)、鄧小平(93)の寿命を例として挙げた。
同動画広告は16日に取り下げられた。RFAによると、削除の原因は「国家政府機関や関係者の名前やイメージを不当に使ったためだ」という。
中国インターネット百科事典サイト「互動百科」では、同プロジェクトに関する詳細情報が掲載されている。これによると、プロジェクトは2005年に立ち上げられた。中国軍301病院、軍事医学科学院など数多くの研究機関と、専門家や医師200人がプロジェクトに参加している。プロジェクトには「健康促進プロジェクト」「青春再現プロジェクト」「150歳長寿プロジェクト」の3大プロジェクトがある。
中国共産党最高指導部の高官が特別な医療サービスを受けているのは周知のことだ。毛沢東の専任医師だった李志綏氏が執筆した伝記、『毛沢東の私生活』もこのことについて言及した。
また、中国出身の作家、張戎(ユン・チアン)氏と夫のジョン・ハリデイ氏が共著した『マオ 誰も知らなかった毛沢東』では、毛沢東の妻である江青が美容とアンチエイジングのために、「若い軍人から輸血を受けていた」とした。
実際、万里・元全国人民代表大会常務委員長は98才、汪東興・元中国共産党中央委員会副主席は100才、鄧力群・元中央書記処書記は100才、張勁夫・元国務委員は101才、呂正操・元全国人民政治協商会議副主席は105才、雷潔琼・元全国人民政治協商会議副主席は106才と長生きしていた。
米人口統計学と社会科学の学者であるスティーブン・モッシャー(Steven Mosher)氏は、中国共産党政権による法輪功学習者や反体制活動家などへの強制臓器摘出問題を研究している。同氏が今年6月、大紀元英語版のインタビューを受けた際、「寿命を延ばすために、60年代、中国当局の高官は寿命延長のため若者から輸血を受けていた。80年代になると、高官らは若者の臓器を移植するようになった」と指摘した。
モッシャー氏によると、80年代に2年間の執行猶予を言い渡された死刑囚の大半が、高官のためのドナー候補者だった。高官の血液型や臓器の組織が適合すれば、死刑囚は後頭部を拳銃で撃ち抜かれて射殺される。死刑囚の心臓や肝臓などが直ちに摘出される。
米に亡命した中国人富豪の郭文貴氏は過去、江沢民元国家主席の息子、江綿恒が2004~08年まで4回にわたって腎臓移植手術を受けたと暴露した。
カナダ人権派弁護士のデービッド・マタス氏と元外交官のデービット・キルガー氏らが2006年にまとめた調査報告では、中国当局は弾圧の対象である法輪功学習者から臓器を強制的に摘出し、臓器移植に利用しているとした。
また、中国の臓器移植問題を調べる国際組織「追査国際(WOIPFG)」が2016年8月に発表した報告書では、中国当局は法輪功学習者などへの臓器強制摘出により莫大な利益を獲得したとした。
(翻訳編集・張哲)