英放送局、中国官製CGTNを調査 香港デモに偏向報道の疑惑で

2019/09/26 更新: 2019/09/26

英国メディアの規律を監視する英国情報通信庁は 9月23日、中国官製CGTN(中国世界テレビネットワーク)による、香港市民デモの報道が「報道の正義」に違反している疑いがあるとして、調査を開始すると発表した。

英国情報通信庁によると、CGTNの役割は、メディアが本来持つべき公正な報道姿勢ではなく「中国の視点で伝えている」と指摘した。また、この発表は、英国通信局による内部調査の結果に基づいており、一般の苦情を受けたものではないという。

CGTNは、英国での放送事業拡大を予定しており、ロンドンのウエストエンドに欧州本部を新設する計画がある。

英紙ガーディアンによると、CGTNは英国で従業員を何百人も積極的に採用し、BBCやスカイニュースなど他媒体にいた記者らを高給で引き抜いた。

容疑者の本土引き渡しを可能にする条例改正案に端を発した香港市民デモについて、CGTNは中国共産党の代弁者として報道してきた。例えば、9分間の動画の中で、CGTNは抗議者たちについて「混乱を煽動している」と形容した。民主主義リーダーたちが、外国の要人と接触することも批判した。

英国情報通信庁による中国官製メディアに対する調査は、昨年に続き2度目。2018年、英探偵のピーター・ハンフリー氏は、中国国内で受けた裁判について、有罪を主張することを余儀なくされた「自白強要裁判」を英国で放送したと訴えた。ハンフリー氏は2013年、製薬会社の依頼を受けて中国共産党高官の汚職について調査していた。警察に逮捕され、のちに強制送還された。

英国情報通信庁がCGTNに対して違反を認定した場合、罰金または英国での放送権停止となる可能性がある。

米国では、外国代理人登録法の実施を強化した2019年2月、CGTNは外国代理人として正式に登録されている。米当局はCGTNに対して、ホワイトハウスの取材権を更新しなかった。

(徐簡/翻訳編集・佐渡道世)

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