カナダ名門校、マクマスター大学の学生自治会はこのほど、中国人留学生団体である中国学生・研究者聯誼会(CSSA)の会員資格を取り消したことがわかった。CSSAが今年2月、中国領事館と共謀して、大学内で開催された新疆ウイグルの再教育強制収容所に関する講演会を妨害した。学生自治会はこの妨害行為が自治会の規定に違反したと批判した。
香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト25日付によると、同大学の学生自治会(Student Representative Assembly、SRA)が2月以降、CSSAの妨害行為について調査を行った。その後、在校生から選ばれた学生代表35人のうち、22人が、CSSAのメンバー資格の取り消しを提案した。9月22日の会議で同提案が承認された。この決定によって、今後CSSAは学生自治会による資金援助の受給、団体の宣伝活動などができなくなるという。
自治会はウェブサイトから、CSSAのページをすでに削除した。
カナダ・ウイグル人協会の前会長であるルキエ・トールダッシュ(Rukiye Turdush)氏は2月11日、マクマスター大学に招かれて、中国当局が新疆ウイグル自治区で設置した強制収容所について講演を行った。
CSSAは講演開催の前、大学に、トールダッシュ氏の招へいに反対する公開書簡を送った。同時に、中国の駐トロント総領事館に報告した。
独メディア、ドイチェ・ベレ中国語版2月14日付によれば、総領事館はCSSAに、「講演当日の様子を撮影し領事館に渡す」「講演会場に大学関係者がいるか、主催側に華僑がいるかをチェックする」などと指示した。
中国人留学生の一人が講演中、突然トールダッシュ氏に罵声を浴びせたという。
マクマスター大学の学生自治会が行った調査では、匿名の中国人留学生が「(CSSAが)キャンパス内の活動を中国当局側に報告していることは実に恐ろしい」と述べた。
近年、カナダ、米国、オーストラリアなどの大学では、中国共産党政権の支持者と反対者による衝突が頻発している。各大学のCSSAは大学に対して、チベット人やウイグル人活動家、中国人の民主化活動家、また最近では香港抗議活動の支持者が大学構内で活動を行わないよう圧力をかけている。
在米中国人活動家で、1989年の天安門事件の学生リーダーだった周鋒鎖氏(52)は、「マクマスター大学がCSSAの会員資格を取り消したことには大きな意味がある」と話した。
「CSSAは人に恐怖を与える存在だ」
(翻訳編集・張哲)